怪しい投資話に騙される人に教えたい超基本 利回り・元本保証って信じていいんですか
投資詐欺を信用させる一番簡単な方法は、実際に配当を支払うことだ。当初は配当を払って信用させ、被害者から追加でおカネを集める。そして家族・友人にも勧誘するように伝える。勧誘が成功すれば謝礼も支払う。たとえば利回りが5%ならば単純計算で20年間は受け取った資金から配当の支払いが可能だ。
そしてある程度のおカネが集まったら最後は逃げて終わりだ。集めたおカネの中から配当を支払って事業が上手く行っているかのように見せる手法を「ポンジ・スキーム」と言う。日本語で説明すれば自転車操業となる。昔からある、そして今後も確実に発生するであろう典型的な詐欺の手口だ。
投資詐欺なんて5秒で見抜ける
「あれも危ない、これも危ない、それじゃあどこで投資をすれば良いのか?」と文句を言われてしまいそうだが、「国内の金融機関で投資をすればいい」というのが答えだ。銀行、証券、生保はいずれも販売に際して、ときに問題点を指摘されることもあるが、少なくとも損をするリスクはあっても詐欺に引っかかるリスクはない。
健康機器の販売を行っていたジャパンライフは、購入額(出資額)が200万円の健康機器を買って貸し出せば受け取るレンタル料が月額1万円、あるいは出資額100万円に対してレンタル料は月額5000円と顧客に説明していたと報じられている。いずれも年率に直すと6%だ。
利回りが極端に高ければ怪しまれ、低過ぎれば魅力がなくおカネが集まらない。6%という数字の絶妙なところは、これぐらいの利回りは一昔前ならば定期預金でも得られた点だ。つまり投資に無知な人を騙すにはちょうどいい水準だと言える。
しかし元本保証の上限は原則としてその時々の国債の金利水準に限定される。現在の水準はアベノミクスによる金融緩和でゼロに近い。つまり年率1%の利回りでさえ投資家に元本保証では提供できない。これは資産運用の入門書にも書いてある程度の話だが、知らない人は6%の元本保証を「手堅い運用」と信じ込んで被害にあってしまうのだ。
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