韓国社会は「男性至上主義」に染まっている

知韓派の台湾人から見た韓国権力者の行状

筆者に対する朴在慶氏の告訴は、検察官から「証拠不十分」と認定され、不起訴処分で終わった。一方、女子学生が彼に対して起こした「セクハラ防止法」に関する告訴は、検察官の捜査を経て正式に公訴となった。3月6日に台北地裁で1回目の公判が行われ、4月中旬に2回目の公判が予定されている。

朴在慶氏はさらに2017年8月、韓国の台北駐在代表部(韓国の台湾における大使館)に「自分は国立政治大学と台湾の司法機関から不当な迫害を受けている」と訴え、同代表部に支援を求めたのである。しかも韓国代表部は、なんと楊昌洙(ヤン・チャンス)代表(大使)の正式な署名入りで外交書簡を台北地検と台北市警察局に送り、朴氏の後期の授業に影響が出ないよう司法当局が「迅速かつ公正な処理を行う」よう要求したのである。

韓国代表部が出したこの外交文書は、実際には台湾の内政と司法に対する干渉であり、台湾司法当局の反感を買うだけだ。しかも、朴在慶氏の「性醜行」事件が発生してから国立政治大学韓国語学科では、すでに彼のすべての授業を停止し、裁判で無罪にならない限り授業は再開させないことになっている。ところが、韓国代表部は朴氏の一方的なウソを聞いただけで外交文書を地検と警察局に送った。これは完全に誤った行為だ。代表部が外交文書を送った後、朴氏は9月初旬に検察から罪状が重大だとして、出国禁止処分となっている。

実は、「#MeToo」運動の火が燃え広がる前の2014年7月、韓国ではすでに重大な「性醜行」事件が発生して全国を驚かせた。ソウル大学数学科教授として有名な教育者とされていた姜錫真(カン・ソクチン)氏が、研究助手兼修士課程生から「何度も性醜行を受けた」と告発されたのだ。

この女子学生は「すべてを失ってもかまわない」という覚悟で告発したのである。ソウル大学は当初は消極的な態度を取り、問題を穏便に済ませようとした。しかし事件がマスコミで報道されると、収拾がつかなくなった。それは、姜錫真氏から「性醜行」を受けた女性たちはこの10年間で22人にも上り、この女性が告発した後にその22人全員が相次いで告発したためだ。ソウル大学は結局、彼を解雇した。2016年1月末、彼は2年半の懲役刑が確定したが、このときには「#MeToo」運動のような広がりは伴わなかった。

教育界に根深いセクハラ

この姜錫真氏による「性醜行」事件は、韓国人なら周知の事実だ。国立政治大学のセクハラ教師である朴在慶氏も、台湾に来る前にこの事件を知っていたはずだ。しかし、それでも彼は、台湾の女子学生に手を出した。彼は台湾の多元的な社会文化を知らなかったばかりか、台湾ではすでに女性意識が高まり、女性の地位がアジアでも最も高い国であることをまったく知らなかったようだ。

ただ、男性が自らの父権主義的な優越性によって女性に対して行うセクハラは、台湾ではその多くが隠されてしまい、決して少ないわけではない。大学の学校性別平等教育委員会で最終的に告訴した国立政治大学の女子学生は、9人のうち2人だけだったことを見てもわかるだろう。これには、面倒が降りかかることを嫌がるという台湾女性の態度が見て取れる。実際のところ、自分を守ろうとするこうした女性の心情が、男性の好色文化を助長する温床となっている。

「#MeToo」運動が台湾でも広がることが期待される。特に台湾芸能界では多くの好色漢がいて、セクハラ常習犯も多い。このような変質的な人格は、社会正義の力で制裁しなければ、全面的に撲滅することはできない。台湾人は普遍的に正義感に欠ける。だからこそ、より多くの勇気のある女性が出てくる必要がある。それによって起きる騒動は一時的なものかもしれないが、社会文化を救い矯正する意義は永遠のものになるだろう。これは台湾だけではないはずだ。

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