韓国社会は「男性至上主義」に染まっている 知韓派の台湾人から見た韓国権力者の行状
主婦がタバコを吸うことが離婚される理由になることを聞いて、私は不思議に思ったものだ。もちろん、1980年代後半からの民主化と社会の開放に伴って、現在の韓国ではタバコを吸う女性も増えたため、タバコが原因の離婚訴訟は、すでに存在しないだろう。
男尊女卑の韓国社会で、女性の地位が低いことがわかるもう一つの事例がある。韓国の男の子は、小さいころから「男子厨房に入らず」の観念を教え込まれる。韓国のことわざに、「男が厨房に入れば、『唐辛子』が落ちる」というのがある。
「唐辛子」とは、男子の性器のこと。男の子は、子どものころから父母や祖父母からこうした観念を叩き込まれた。それがいつから始まったことなのか、すでに起源をたどることはできない。しかし、それが韓国の男が持つ「尊大」な性格をはぐくんでいることは否定できない。厨房に入って妻の家事を手伝うような男は職場で同僚から軽蔑され、「女々しい」と見られるのだ。
韓国司法界にも存在する性醜行
とはいえ、このような観念は残っているものの、それもすでに変化している。現在の若い世代の間では働く既婚女性の比率が高まっており、共働きの夫婦が増えている。そのため、帰宅すれば夫婦が一緒に台所で食事を作ったり、あるいは他の家事をすることがすでに普通になっている。そうした男が笑われることはもうない。
しかし、それが普遍的なレベルに達しているかと言えば、そうではない。35歳以上の男性では、家事をしない人がやはり大部分を占めている。このため、韓国で旧世代の陳腐な「男尊女卑」の観念を取り除くには、少なくともさらに1、2世代ぶんの時間が必要だろう。
韓国のこのような男尊女卑の社会文化を知った上で、「#MeToo」運動がもたらした騒ぎを見ると、なぜ韓国が現状のようになったかがわかるだろう。これまで韓国女性は、男性の「玩具」にすぎなかったと言っても過言ではない。そのため今年1月末、ある女性検察官が先輩の男性検察官にお尻を触られたという8年前の「性醜行」をテレビで暴露すると、韓国全土が大騒ぎとなった。
この事件で多くの人たちが不思議に思ったのが、司法は社会正義の最後の防衛線だと考えられているのに、司法関係者でさえ人間の尊厳と性別の平等を無視し、社会の古い風習に囚われて女性の同僚をいじめているということだ。そのような司法が、公正に法を執行するのは難しいだろう。
女性検察官の告発は、韓国社会で論議を巻き起こした。韓国法務省は世論からの圧力を受けて「性戯弄/性犯罪対策委員会」を設置した。この委員長として、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「女性政策研究院」院長に任命されたばかりの権仁淑(クォン・インスク)氏を指名した。
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