コロンビア「虹の川」に発生した困った事態 美しい川を維持し続けられるのか
科学者はこの地域の多様で独特な環境について、解明を進めようとしている。ここのサバンナやジャングルではジャガーやマーゲイ(小型ヤマネコ)がさまよい、グアヤベロ川ではカワイルカが泳いでいる。
コロンビアの生物多様性について研究する非営利団体のフンボルト・インスティテュートで、上級調査官を務めるカルロス・ラッソは、カーニョ・クリスタレスの動物について180ページのガイドブックを執筆している。これは4年にわたる地域研究の一環だ。
「非常に独特な生態系」
1月下旬、彼のチームは2週間かけて、デューダ川、グアヤベロ川、ロサダ川を大型の丸木舟で調査した。彼らは、50種類以上の水鳥と、4種類のミズヘビ、そして150種類以上の魚を確認した。うち3種は新種の可能性があるという。
彼らはオリノコワニも発見した。オリノコワニは近絶滅種で、成長すると最大で7メートルにもなる種だ。
マカレニア・クラビヘラは、観光客を呼び寄せて経済を活性化させることで、この地域で重要な役割を果たしている。この植物は、セラニア・デ・ラ・マカレナという山岳地帯から流れ出る川にしか存在しない。これらの川の水は澄んでいて、酸性で、栄養分に乏しい。
「非常に独特な生態系だ」とラッソは言う。「そして、とても壊れやすい」。
一方で、ウペコルのサステナビリティ・マネジャーのアンジェラ・マリア・ロドリゲスは、同社の石油開発プロジェクトに関しては、間違った情報が数多く流れていると言う。ロドリゲスは、そもそもウペコルの石油採掘地は、カーニョ・クリスタレス川から遠く離れていると話す。「68キロメートルも離れているのだから、影響が出る可能性はない」。