コロンビア「虹の川」に発生した困った事態

美しい川を維持し続けられるのか

しかし、約12年前、コロンビア政府軍がこの地域で強い存在感を示すようになると、観光客がポツポツとやってくるようになった。2016年に和平協定が結ばれて内戦が収まってくると、わずかだった観光客が大幅に増えた。

昨年、この虹の川にやってきた観光客は1万5000人以上で、ディアスら、地元のガイドは130人以上いる。多い時には、何百人もの旅行者が、指定された7カ所の見学場所に散っていく。この7カ所を管理しているのは、持続可能な開発を目指す地方政府機関のコルマカレナだ。7カ所のうち、カーニョ・クリスタレスをはじめとする複数の場所が、シエラ・デ・ラ・マカレナ国立公園の中にある。

石油開発に対する住民たちの懸念

2009年に、コロンビアのウペコルという企業が、サン・ビンセンテ・デル・カグアンという小さな町の近くに借りた土地で、石油を探すための物理探査を始めた。同社は、米国テキサス州ビービルにある石油探査会社、ダン・A・ヒューズの子会社だ。

企業への土地の貸与を取り消した大統領のフアン・マヌエル・サントスは、この決定によりカーニョ・クリスタレス川と周辺地域が守られるだろうとツイートした。

この取り消しの決定は、ラ・マカレナでは好評だった。同町の町長であるイスマエル・メデジン・ドゥエニャスは、住民は石油開発によって環境に影響が及ぶことをとても心配していると述べた。地域の未来は酪農とエコツーリズムにかかっていると町長は言う。彼の机の上方には、カーニョ・クリスタレスの絵が飾られている。

町の壁や窓には、石油採掘に反対するポスターが貼られている。この町に13年間暮らしている英語教師のミゲル・オルティスは、「昔はファルク(FARC)との戦いだったが、いまはフラッキング(水圧破砕法:石油採掘の技術の1つ)との戦いだ」と話す。

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