コロンビア「虹の川」に発生した困った事態 美しい川を維持し続けられるのか
ガイドのアンジェラ・ディアスは、カーニョ・ピエドラスという名の小川の岩の上に立ち、地味な黄緑色の水草を指さした。「マカレニア・クラビヘラ」だと彼女は言い、この植物がコロンビア中央部のこの地域で、今後のカギを握っていると話した。
5月に雨季が始まると水面が上昇し、マカレニア・クラビヘラは鮮やかな赤い色に変わる。「この植物には、色が独特に変化する不思議な性質がある」とディアスは言う。「5月から11月にかけて、その色を見ることができる」。
「虹の川」のほかに注目されるもの
ギアナ高地の褐色の岩の上を流れる澄んだ水とマカレニア・クラビヘラが、毎年鮮やかな景色をつくり出す。マカレニア・クラビヘラが見られるカーニョ・クリスタレス川は、「5色の川」あるいは「虹が溶けた川」とも呼ばれ、主要な観光地となっている。
ディアスは数歩先で、タールが川岸の石に染み出しているのも見せてくれた。この地域が注目を集めているもう1つの理由がこれ、つまり石油だ。
米国テキサス州の企業が、この珍しい生態系の西側で石油の採掘を計画して論争となった。現在はその企業とコロンビア政府の間で、裁判が行われようとしている。
この地域の中心となっているのは、ラ・マカレナというグアヤベロ川沿いの小さな町だ。何十年ものあいだ、政府とゲリラ軍のFARC(コロンビア革命軍)との戦いにより、この町は訪れることさえ危険な場所になっていた。