コロンビア「虹の川」に発生した困った事態 美しい川を維持し続けられるのか
彼女は、ウペコルに対する許可の取り消しは政治的なものだと話す。政府の役人が、人気のある観光地を守ることで、環境面での実績を作ろうとしているのだという。
ロドリゲスによると、物理探査の結果は期待が持てるもので、ウペコルは試掘井を掘削したいと考えていたという。同社は政府に対して2100万ドルの損害賠償を検討しているという。
雨季の間に雨が降らないことも
コルマカレナの地域コーディネーターのファビエール・フランシスコ・パッラは、ウペコルの採掘地がカーニョ・クリスタレスにそれほど近くはないと認識しているが、だからといって川に直接の影響を及ぼすか否かはわからないという。
パッラはもう1つ脅威が生じているという。近年、雨季の間に雨の降らない期間があり、乾季の間に雨が降る期間があるのだ。
カーニョ・クリスタレスの水量に関する長期的なデータはないが、ラッソも状況に変化が見られることに同意する。乾季の間、川は観光客には非公開となるが、この10年ほど、乾季が始まるのが毎年早くなっているという。
この変化は自然のサイクルによるものかもしれないし、近隣の森林開発が影響しているのかもしれないとラッソは言う。しかし、もっと広範な気候変動が関係している可能性もある。
カーニョ・ピエドラスでは、ガイドのディアスがマカレニア・クラビヘラと石油の染み出した岩の間に立って、5月を楽しみにしていると話した。5月になれば川が再び赤く染まって、観光客が戻ってくるからだ。彼女はオフシーズンの間は、消防士として働いている。
そして、ディアスは、彼女とガイド仲間がこの論争で取っている立場を明確に示す。「私たちには石油採掘は不要だ」。
(執筆:Murray Carpenter、翻訳:東方雅美)
© 2018 New York Times News Service
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