米朝トップ会談の目的は「非核化」ではない

批判している人はポイントを間違っている

金正恩とのトップ会談に応じることにしたトランプ大統領(写真:Leah Millis/ロイター)

ドナルド・トランプ大統領は意外にも北朝鮮の指導者、金正恩と初めて会談する米国大統領になることに同意した。これに対する反応はさまざまで、慎重な楽観論から経験の浅いトランプ政権への警告、そして徹底的な批判にまで多岐にわたった。だが、こういった批判は容易に払拭できる。

1つ目の批判は、トランプ大統領は北朝鮮を国家として「正式に認める」ことになるということだ。しかし、米国はすでに北朝鮮を国家として認識している。非武装地帯での話し合いから、第3国と国連の外交官との会談、2000年の国務長官による北朝鮮訪問、ビル・クリントンやジミー・カーター元大統領の準外交訪問にわたるまで、米国は約70年以上の間、北朝鮮と交渉を続けてきた。

米国務省は骨抜きにされているのか?

一方、金一族は、祖父から父親、そして息子に至るまで、国家の創設以来、戦争、制裁、飢饉、自然災害、後援である旧ソ連の崩壊を乗り越え国家を支配し続けてきた。金氏は神として国民に崇拝される一方、外部の人々は彼に関する評価を長きにわたり作り上げてきた。プロパガンダによるクーデターの必要はない。

米国はすでに邪悪な独裁者と交渉し、支援さえも行ってきた。好むかどうかにかかわらず、北朝鮮はすでに核保有国である。トランプ大統領であろうとなかろうと、「国として正式に認めるかどうか」の基準は随分前から満たされているようだ。

米国務省が骨抜きにされているともいわれている。韓国には米国大使がいない。北朝鮮政策特別代表は辞任したばかりだ。しかし、名前がジャーナリストに知られていないという理由だけで、北朝鮮と交渉する人はだれもいないと主張するのは不誠実である。

在ソウル米国大使館のマーク・ナッパー首席公使は、韓国での二等書記官時代を含め、20年以上にわたり朝鮮半島問題での経験を積んできた。同氏は北朝鮮を何度も訪れ、韓国から信頼されている。エドウィン・サガートン米大使館政務公使参事官も、朝鮮半島で何年も過ごし、北朝鮮で働いた経験もある。

そして、3人目の米国高官である釜山米国領事館のデ・B・キム領事はソウルで生まれ、朝鮮半島問題に約20年間携わった。オルブライト元国務長官が訪朝した際には同行した経歴を持つ。この3人の外交官は全員、韓国語を話す。

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