「国務長官クビ」はトランプが暴走する予兆だ

大統領の権限をいかんなく発揮できる状態に

更迭されたレックス・ティラーソン国務長官(写真:Jonathan Ernst/ロイター)

現在の米国大統領は、歴代大統領とはまったく違った存在で、比べられる大統領はほとんどいない。伝えられるところによると、ドナルド・トランプ大統領は日々のブリーフィングに関する文書を読むことにまったく関心を示さず、多くの時間をゴルフ場やケーブルテレビを見ることに費やし、ワシントンのエリートたちが決めるほとんどのことに反対している。

しかし、大統領に就任してから14カ月経った今、トランプ大統領は独自のスタイルを貫き、自分の好みどおりに振る舞っている。権力の「レバー」をうまくコントロールする状態を築いていると言わざるをえない。

トランプ大統領を「アホ」呼ばわりしていた

3月13日のレックス・ティラーソン国務長官の追放は、トランプ大統領の自信が高まっていること、そして大統領という地位の力を利用できていることを示している。昨年ティラーソン氏は、トランプ大統領を「アホ」と呼んでいたという報道を否定することはしていなかったし、最近この2人の間には明らかに確執があった。

ティラーソン氏の代わりにマイク・ポンペオCIA長官を任命する大統領の計画の発表の前には、トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と会う意思があることを韓国の大使に伝える決定を行っていた(この会談の決定は突然行われ、ティラーソン氏への事前相談もなかったという憶測も持ちあがったが、同氏は後日この決定は「驚きではない」と述べている)。

トランプ大統領が賢く動いているかどうかは、意見が分かれるところだろう。北朝鮮については、多くの外交政策の専門家が、首脳会談から関係を始めることは間違いだと指摘している。また、関税については、トランプ大統領がツイートによって貿易戦争を引き起こそうとしていると見なされている。通常であればこうしたステップに先立って政策や外交上の協議をするものだが、いずれの場合もそのプロセスをすっ飛ばしている。

銃規制については、トランプ政権は大統領の極めて個人的な考え(議論の余地はあるだろうが)に基づいた「教師による銃の携帯」が議論の焦点となっており、これは新法になるかもしれないとしている。トランプ減税は目下、米国の経済政策の中心となっているし、移民政策は行き詰まり感があるものの、トランプ大統領がその方向性の指針となっていることは間違いない。

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