就活生は「落ちたら傷つくから…」を捨てよう 会社選びで「業界上位」を敬遠してはいけない

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企業への応募も同じです。密度の濃い就活をする学生は、この期間に大きく成長するのです。実際に私が支援している学生のうち、およそ7割は想定どおりの企業に内定していますが、3割の学生は、当初は想定していなかった「上位企業」に内定しています。

就活はご縁があるかないか、ある意味で「水物」の部分がありますので、「たまたま」受かったのかもしれません。しかし私は、上位企業から逃げないで熱心に取り組んだその過程で、学生が成長したのだと思っています。

「上位企業に入ろう」ではない

就職先を選定する際に何を重視するかは、あくまでも「個人の価値観」によります。

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そのため、「業界上位企業に応募しよう!」という話には、違和感や反発を覚える方もいるかもしれません。

しかし、私はべつに「業界上位企業に入ろう!」と言っているわけではありません。上位企業の内定を得た後、自分の価値観に従ってより下位の会社に入るのは、その人の自由です。私が支援をしている学生の中にも、実際にそういった選択をした人もいます。

しかし、上位企業を受けることには、「学習の機会」「成長の機会」が溢れています。それを、「落ちたら傷つくから」といった理由で逃してしまうのは、率直に言って「もったいない」ことです。

落ちたところで、失うものなど何もありません。大きな気持ちで、ぜひチャレンジしてみてください。

廣瀬 泰幸 オールウェイズ代表取締役

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ひろせ やすゆき / Yasuyuki Hirose

岐阜県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。株式会社リクルートに入社。15年の勤務期間中に大企業からベンチャー企業まで1000社を超える企業の採用と人材育成を支援。その後、1部上場企業の人事部採用責任者として年間500人の採用と人材育成を行う。2003年、有限会社ヒロウェイ設立。2004年より、株式会社リンクアンドモチベーションの講師として、主として大企業の1万人を超える社員に教育研修を実施。2010年、株式会社オールウェイズ設立。以降、1000人を超える学生に就活コーチングを実施。twitterアカウントは@tender_coach

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