「Now or Never(今でしょ)」で攻めるソニー SONY再起動へ。打倒アップル・サムスンへの曙光(下)

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同氏はソニーの強さを3つに分けて捉えているという。1つめは映像、オーディオ、デジタルイメージングの分野におけるオリジナリティの高さだ。

「ソニー社内にある映像技術、オーディオ技術、デジタルイメージング技術を精査していくと、それぞれに面白いものがたくさんあり、各々が事業部の中で進化させている。それらを自分たち(経営層)自身が、それぞれの商品カテゴリを理解し、投資を行い、社内での人や価値の循環を手助けしなけし、投資をしていく」(鈴木氏)。

五感はクラウド化できない

ソニーの4Kテレビは映像(視覚)、音響(聴覚)はもちろんのこと質感(触覚)にもこだわっている

これは平井社長が繰り返し発信している「五感に訴えることができる価値はクラウドやスマートフォンには転換することができない」というメッセージと重なる部分。高画質や高音質、質感や触感、動作感などは、簡単にマネできるものではないというのが、平井社長の主張だ。

ただし、これまでは各分野においてユニークな価値を持っていたものの、それが社内で循環する仕組みがなかった。鈴木氏は「現在は各事業部が、それぞれに技術やノウハウを高めていきつつも、(エントリーユーザーがスマートフォンにいることを意識し)モバイル機器での応用やつながりを意識して製品を作るようになった点が異なるという。

「ソニーのテレビやオーディオでのシェアはたかが知れてるという人もいるが、内在している価値とシェアは必ずしも一致していない。質の部分で勝負できるノウハウがあるからこそ、それを活かした戦略も展開できる」と鈴木氏は強調する。

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