ロッテのキャンプ地は沖縄本島から400km離れた石垣島(沖縄県石垣市)で1、2軍が合同でキャンプを行っている。石垣島の気温はこの時期でも25度以上。タクシーに乗れば冷房が利いている。本土から持ってきたダウンジャケットを小脇に抱えた筆者の姿は、Tシャツ半パンの人々に交じって実に滑稽だった。
投手がブルペンに入るのは、宮崎ではおおむね10時半以降、沖縄本島でも10時頃からだが、石垣島では9時半には投手がブルペンで捕手のミットにいい音を響かせている。井口資仁新監督が、捕手の後ろで真剣な表情で投手を見つめていた。
ロッテキャンプが石垣市に与えた影響
石垣市企画部観光文化スポーツ局スポーツ交流課、イベント交流班班長の小底正弘氏は、ロッテキャンプの地元への影響についてこう話した。
「ロッテさんが石垣市で春季キャンプをするようになって、今年で11年です。経済効果ももちろんですが、何より、子どもたちが野球のできる環境を整備できたことが大きい。ロッテキャンプを受け入れるに際して、市はグラウンドを改修し、さまざまな施設を整備しました。
2月は、ロッテがこの施設を使用しますが、それ以外の季節は島の住民や子どもたちが使います。プロ野球が使う立派な施設で練習や試合をすることで、子どもたちはさらに野球が好きになりましたし、技術もアップしました」
ただ、離島キャンプには対戦相手がいないことがついて回る。石垣市では、3年前からCPBL(台湾プロ野球)のLamigoモンキーズとの交流戦であるアジアゲートウェイ交流戦Power Seriesを誘致している。
「今年は多くの応援団の皆さんもやってきて、インバウンドも期待できるようになりました。また、今年2月6日(日本時間7日)台湾東部を中心に発生した地震における被災地への支援のため、石垣市主催の募金活動も行いました。絆は深まっていると思います」
CPBLと言えば球団お抱えのチアガールがリードし「アッタラアター(安打、安打!)」とシュプレヒコールをする派手な応援が売り物だが、南の島は、大いに盛り上がっていた。
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