沖縄一極集中?春季キャンプから見える野球 2018年の12球団のキャンプ動向を探る<下>

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

宜野湾市の北隣の北谷町(ちゃたんちょう)の中日1軍キャンプは、大型ショッピングモールのアメリカンビレッジに隣接している。今年は松坂大輔フィーバーに沸いた。ファンの数は倍増し、急きょ作られた松坂の背番号「99」のレプリカユニが飛ぶように売れた。ブルペンには観客席が新しく設けられるほどで、松坂大輔のカリスマ性を改めて思い知らされた。

沖縄本島中部の沖縄市のコザしんきんスタジアムでは、広島が二次キャンプを張っている。すでに32年の歴史がある。日南市民の「広島愛」は熱烈だが、沖縄市も負けていない。昨年のキャンプでは優勝パレードが行われた。また本場の「広島風お好み焼き」の店舗も出ている。二次キャンプは練習試合が中心だが、キャンプ周辺には「チバリヨ―広島」ののぼりがはためいている。

関西弁の含有率高い阪神、沖縄最北の村の日本ハム

那覇から車で1時間、沖縄本島中部の東海岸の宜野座村に阪神タイガース1軍キャンプがある。2003年からと歴史は浅いが、今や高知県安芸市に代わって虎ファンのメッカとなった。キャンプ地での関西弁の含有率は極めて高い。

メイングラウンドのかりゆしホテルズボールパーク宜野座には、甲子園の整備を担当する阪神園芸の社員が1月から入って土を入れ替え、芝を整備し、甲子園と同じコンディションをキープしている。ブルペンの観客席も見やすい。売店も多彩で、充実している。

2017年までは沖縄本島中部の名護市で日本ハムファイターズが1軍キャンプを営んでいた。1978年から40年の歴史がある沖縄最古のキャンプだ。那覇市から1時間半以上もかかる立地にもかかわらず多くのファンが押し寄せ、多数の店舗が出店していたが、名護市営球場は老朽化のため昨年キャンプ終了後に取り壊され、再建中だ。

今年の日本ハムは、アリゾナで一次キャンプを行い、二次キャンプは沖縄最北端の国頭村(くにがみそん)で行った。もともと日本ハムが2軍キャンプを行っていた地である。

施設は、かいぎんスタジアム国頭を中心に整備され、いわゆる山原(ヤンバル)の自然を満喫できる立地ではあるが、平日は店舗は一つだけ。前年まで名護市で出店していた業者が名物の焼きそばを売っている。キャンプ地では大型ルーキーの清宮幸太郎ものびのびと体を動かしていた。国頭村は那覇市から車で2時間以上かかるが、熱心なファンが訪れていた。

日本ハム国頭村キャンプ、名護市からやきそばを焼きに来ていた出店店主(筆者撮影)
次ページ楽天、離島キャンプのメリット・デメリット
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事