超有望!「人工食肉」が世界を救う根本理由 チャーチルは約90年前に予想していた

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肉を欲しい量だけを生産するのには、動物を育てるほどの資源は必要としない。オックスフォード大学の研究者、ハンナ・トゥオスト氏の2011年の研究よると、クリーンな牛肉の生産には、従来の牛肉生産より99%少ない土地と96%少ない水があればよく、これにより温室効果ガスも96%抑えられるという。

ただ、こうした研究は、クリーンミートを商業的に運用可能にするのに必要な技術を見込んでおらず、不正確であると言わざるをえない。しかし、大半の専門家たちは、より大規模な培養食肉の生産であっても、従来の家畜生産よりかははるかに資源効率がよいと考えている。

既存肉のシェアを奪うのが目的ではない

チャーチルが考えていたような、合成肉の普及はまだ現実のものとなっていないが、数年後には実現していてもおかしくない。一方、植物が原料の「植物肉」は、すでに多くの人に親しまれている。

チャーチルが提唱した動物を使わない食肉が「不自然」だと心配している人は、持続不可能で非人道的、かつ不自然な現代の食肉生産がどのようなものであるか思いを巡らせてほしい。

クリーンミートが目指すのは、牧草で育てられた動物の肉のシェアを奪うことではない。推進派はむしろ、現在食されている肉の大部分を占める家畜の代わりになることを目指している。自分のふんにまみれ衰え、外に出ることもなく、大量の抗生物質や薬物を摂取することを強要される家畜の代わりだ。家畜が置かれている厳しい現実に目を向ければ、クリーンミートがもたらす影響は明らかだろう。

チャーチルが英国首相に就任した時、解決すべき問題は山のようにあった。チャーチルが当時考えていた解決策は、われわれがこの唯一無二の惑星への害を減らす方法を模索する中、より現実に添ったものかもしれない。クリーンミートが、それを証明する日もそう遠くないだろう。

筆者のポール・シャピーロ氏は『Clean Meat: How Growing Meat Without Animals Will Revolutionalize Dinner and the World(クリーンミート:動物を利用しない食肉生産が夕食と世界にもたらす革命)』(未邦訳)の筆者。このコラムは同氏個人の見解に基づいている。
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