「非常に罪深い」、村上総務相が「フジテレビ問題」に対して言い放った"正論" 9000字ロングインタビュー【前編】

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村上誠一郎(むらかみ・せいいちろう)/1952年愛媛県生まれ。東京大学法学部卒業後、河本敏夫衆議院議員の秘書となる。1986年に旧愛媛2区から衆議院議員に初当選。大蔵政務次官、初代財務副大臣、国務大臣(行政改革・構造改革特区・地域再生担当)、内閣府特命担当相(規制改革・産業再生機構担当)等を歴任。2024年10月から総務相(写真:編集部撮影)
時に歯に衣着せぬ“正論”をぶちかまし、世間の耳目を集めることも多い村上誠一郎総務相。メディア、地方創生、清和会政治、そしてこの国の針路について、1時間以上にわたって話を聞いた。9000字超に及んだ独占インタビューを3回に分けてお届けする。
中編:村上総務相が看破する「地方創生」と「金権政治」に潜む根本問題
後編:"正論政治家"村上誠一郎が危惧してやまない「この国の針路」

(外部配信先ではハイパーリンクや画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください)

フジテレビは放送法のあり方を揺るがした

――フジテレビ問題は、主要メディアとしてのテレビの存在を大きくおとしめました。放送事業を管轄する総務相として、どうご覧になっていますか。

近年ではインターネットによる情報取得が増えています。一方で、テレビなどのメディアは緻密な取材を行い、得られた情報を組織的に確認することで、その報道内容は正確で信頼できるという安心感がありました。

放送法は第1条で、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」を謳っています。そして「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発展に資するようにすること」を求めています。

しかしながら、このたびのフジテレビの不祥事はテレビに対する信頼感を大きく損なうこととなってしまいました。第三者委員会の報告書でも厳しい指摘がなされているとおり、放送事業者が担うべき公共性や、報道機関としての社会的責任に対する自覚が欠落していたと言われても仕方がありません。

この結果、広告によって成立するという営業基盤を失うばかりでなく、さらには自主自律をモットーとする放送法のあり方を揺るがすことにもなってしまったことは、非常に罪深いと思います。

そこで4月3日付で総務相として、フジテレビとフジ・メディア・ホールディングス宛に行政指導書を出しました。フジテレビが「再発防止に向けた取組が十分でないと認められる場合」には、「真摯に取り組むよう必要な措置を求めることがある」と伝えています。

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