その後は、婚活することもバカらしくなり、3年が過ぎた。しかし、55歳という年齢が近づいてきて、またも焦りを覚えたのだという。そんなときにこのコラムを読んで、私を訪ねてきた。
年の差婚に「国際結婚」という選択
どうしても子どもが欲しいという男性には、それを可能にするひとつの選択肢がある。
国際結婚だ。私は藤岡に聞いた。
「国際結婚は、考えてはいませんか?」
「国際は、視野に入れていません」
きっぱりと拒否してきた。
国際結婚なら、40代、50代、60代の男性が、出産可能な20代、30代と結婚できる可能性がグンと高くなる。
昨年、私の相談所の44歳の会員男性が25歳の中国人女性と、また年明け早々には、57歳の男性が29歳のタイ人女性と国際結婚をしている。
44歳の男性は昨年の2月に入会し、「20代の女性と結婚したい」と言って譲らなかった。そこで20代限定で申し込みをかけていたのだが、すべて断られていた。そんなときに25歳の中国人女性からお申し込みがあった。「国際結婚はしたくない」と当初は言っていたが、「会うだけ会ってみたら」という私の後押しに、新宿でお見合いをした。
現れたのは、化粧っ気のない素朴な感じのする中国人女性。肌がツルツルで笑顔がとにかくかわいらしかった。お見合い後交際に入り、すっかり彼女を気に入った彼は、3カ月足らずで結婚を決めてしまった。
57歳男性は、55歳のときに私の相談所に入会してきた。藤岡と同様、自営業の男性で、年収が1500万円近くあった。そこから1年半ほど30代後半から42歳までの日本人女性と見合いを重ねたのだが、うまくいかなかった。
ただ、彼と藤岡が違うところは、“何がなんでも子どもが欲しい”と思っていたところだ。そこで彼自らが国際結婚を視野に入れるようになり、昨年夏に、国際結婚を専門に扱っている相談所を介してタイに行き、そこで数人のタイ人女性と見合いをして、現在の29歳の妻を選び、1月に入籍した。
この2つの話を藤岡にしたのだが、彼は頑なだった。
「そもそも文化が違う環境で育ち、言葉も違う女性とは、コミュニケーションが取れるとは思えません」
確かにそのとおりだろう。
また、国際結婚には、さまざまな問題があるのも事実だ。
在日の外国人の場合、ビザの期限切れが迫ってくると、日本人と結婚をして配偶者ビザを取得したいがために結婚する人もいる。育った環境が貧しい国の女性だと、家族に仕送りすることを目的に、日本人男性を金づるだと割り切って結婚することもある。ブローカーが介在する偽装結婚も問題視されている。そして何より日本人同士の結婚に比べて、国際結婚は離婚率が高い。日本人同士の離婚率が約3割なのに対し、国際結婚は倍以上の約7割という数字が出ている(厚生労働省「平成27年人口動態統計」調べ)。
そのほかにも、発展途上国の女性との国際結婚は、周りから先入観や偏見の目で見られることも多い。
だが、親子のような年の差の国際結婚をして幸せに暮らしているカップルがいるのも、また事実だ。
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