独身のまま年を重ねてしまった人たちの理由は、またそれぞれにあるのだろう。
バツ2で子なし「最後に子どもが欲しい」
藤岡はバツ2だった。身長170cm、肩幅がありスーツの似合う体型ではあるが、額は後退し全体的に髪は薄く、54歳という年相応の見た目だ。現在は個人で会社を経営しており、1000万円を超える年収がある。2回の結婚で子どもは授かっていない。
では、これまでどんな結婚遍歴を重ねてきたのか。
藤岡は有名大学を卒業後、上場企業に就職した。1回目の結婚は、30を過ぎたころだ。安定よりもチャレンジを楽しむきらいがあり、結婚後に10年勤めた会社を退職し起業した。しかし、それは思っていたよりも大変で、事業を軌道に乗せることに躍起になっているうちに、夫婦の気持ちにすれ違いが生じていた。
「妻の気持ちが私から離れていたことに気づかなかったんです。離婚を言い出されたときには、もう修復不可能な状態になっていました」
話し合いの末、「お互いに人生をやり直すなら早いほうがよい」という結論に達した。そして、離婚。その後、藤岡は、“機会があれば再婚したい”と思っていたものの、そのチャンスがないままに年月だけが過ぎていった。
「50歳という年齢が見えたときに急に焦りを覚えました。それで、生まれて初めて大手結婚情報センターに登録をしたんです。子どもが欲しかったので、30代後半の女性に申し込みをかけました。断られることも多かったのですが、数人とはお見合いができました。ただなかなか結果が出せなかった。そんな中で36歳の女性とトントン拍子で結婚が決まりました」
だが、その女性は占いにはまっていた。
「もともと岩手の方だったんですが、占い師に、『関東で暮らせば、幸せな結婚ができる』と言われて、仕事を辞めて上京してきた。占いで見ると僕との相性が抜群によかったようで、結婚には彼女のほうが積極的でした。14歳も下、しかもかなりの美人に、『あなたと結婚したい』と言われたら、そりゃあ、飛びつきますよ」
入籍の日も占いで決めた。出会いから入籍までは、1カ月もかからなかった。
「ところが今度は占いで、“結婚後の生活は西の地域でしたほうがいい”と出たんです。『一緒に関西に引っ越しましょう』と言われた。でも、僕の仕事の拠点は関東だったし、仕事がなくなったら生活していけない。『僕は、関西に行くことはできないよ』と言ったら、ひとりで行ってしまった。入籍したものの、結婚生活の実態がないままに離婚となりました」
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