トヨタは2017年11月に「Toyota Safety Sense 第2世代版」を発表し従来のToyota Safety Senseを進化させている。このようにトヨタ/レクサスでは先進安全技術の普及だけでなく性能向上を目的に開発を継続的に進めることで世界のあらゆる地域で効果的な事故抑制技術の確立を目指す。その最先端モデルのひとつに新型LSが位置付けられているのだ。
新型LSに搭載された先進安全技術や高度運転支援技術を体験する試乗会の場で、トヨタ自動車の先進技術開発カンパニー常務理事であり先進安全先行開発部の部長である鯉渕健氏はトヨタ・レクサスにおける安全の考え方について、「人・クルマ・交通環境という三位一体の取り組みと、事故の調査・解析およびシミュレーション開発・評価という実安全の追求の2点をもとに交通事故死亡者ゼロを目指していく」と述べている。
続けて鯉渕氏は、「交通事故死亡者ゼロ社会の実現には、市場で被害軽減効果の高い安全システムをより早く開発し、そして多くのクルマに普及させていくことが重要であり、世界トップの先進安全技術を開発するとともに、それを小型化しさらにコストダウンを進めたうえで普及させていくことがなによりも大切です」と述べた。
「先進技術」と「普及技術」開発を同時並行
こうした鯉渕氏の発言はすでに現在のトヨタ・レクサス陣営において現実のプランとして稼働中だ。具体的には、ひときわ高度なものを「先進技術」として開発しながら、広く一般化させるものを「普及技術」として位置付け、それぞれの領域における技術開発を同時並行的に進めることで、最終的な目標である交通事故死亡者ゼロ社会の早期実現を目指している。
さて、新型LSの車両としての詳細はどうか。2017年3月から市場導入されているレクサスの上級クーペモデル「LC」に続き、新型LSにもレクサス版TNGA(Toyota New Global Architecture)を具現化した「GA-Lプラットフォーム」(レクサス版TNGAの一例)を採用。これによりクルマの基本性能である「走る、曲がる、止まる」の領域が高められた。
流麗なスタイルを決定づける4つのタイヤとボディのすき間(ホイールハウス)が極端に少ないボディ設計の実現もGA-Lプラットフォームの効果だ。
筆者は、その新型LSのステアリングをクローズドコースと一般道路でそれぞれ試乗した。どの運転シチュエーションでも「しっとりで、がっちり」という印象を強くもったのだが、とりわけ新開発のターボエンジンを搭載するLS500でその印象を強く抱いた。
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