そもそも憎み合っているくらいなら離婚の選択肢のほうがいい場合もありますが、そこまで関係性は悪くはないけれど、子どもも手を離れてきたし、この先はお互い好きなことをして暮らしたい、という思いに至るのは不思議ではありません。
また、長年の関係性の中で払拭できなかった小さなズレに対し、これ以上我慢を重ねたくない、相手のこだわりに合わせていくのに疲れたなど、ささいな苦痛も毎日だと限界がきますので、それらから解放されたいという思いもあるようです。人生後半に入り、これ以上、自分を偽ったり、我慢して生きたくないという場合に、効果的な関係性とも言えます。
それぞれに自立していることが必要
メディアでは、50歳代から60歳代に多いような論調が多くみられますが、私が実際にかかわる相談者のなかで卒婚を実行されている方は、40代後半から50歳代にかけての方が多い傾向です。
あまり年齢が高くなると片方が病気がちになってしまったりして、病人を突き放すような罪悪感を持ってしまったり、定年が目の前に迫っている不安からか、どちらかの相手への依存が増してきてしまい、離れたくても離れられない理由が出てくる可能性が高くなります。さらに、40~50歳代なら、まだお互いに働けるという部分も大きいように思います。
うまくいく卒婚の決め手は、経済的、精神的それぞれに自立していることです。まずは、経済的な面ですが、特に女性の場合は子育てをして仕事から離れている時期が長いと復職が難しい場合も多く、共働きといえども、短期的なパート、契約の仕事を選びがちです。
自由度が高く、手軽に始められるという利点もありますが、経済的に家計の補助になっても、自立できるレベルにまで引き上げることは現実的になかなか難しい部分もあります。また、それ以上、稼ぐ能力があったしても扶養控除を考えて、あえて抑えている場合も多いでしょう。そうすると、自立ということを考えたときに大きな足かせとなります。ですから、仕事に復帰する際、とりあえず目の前にあるものを、ではなく以下を考慮して選ぶ必要があります。
・自分に合っているか
・資格などを取得することによってスキルアップできるか
・今後、収入が上がる可能性はあるか
・本格的に仕事に就くときにその経験が生かせるか
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