もちろんハイエンドのパワーもV8エンジンを搭載する主力スーパースポーツモデルである、ウラカン・ペルフォルマンテを凌ぐ数値となっている。つまり、このウルス、かなり硬派なのだ。ちなみに基本プラットフォームはVWグループ内の資産を共用するが、サスペンションなど多くの部分でオリジナル設計となっている。特にランボルギーニというエンジンそのものに大きな意味を持つブランドであるだけに、ウルスのエンジンは今のところVWグループ内の他ブランドで使うことはないようだ。
全力で生産力の拡大に取り組んでいる
ランボルギーニはこのウルスの導入によって、スーパーカー界のトップであるフェラーリの地位へとリーチをかけるべく、全力で生産力の拡大に取り組んでいる。フェラーリは現在のところ年間8000台前後の生産規模であるが、対するランボルギーニは3500台ほどだ。それを2倍の7000台へと早急に持ち上げることをランボルギーニCEOであるステファノ・ドメニカリは宣言している。
その積み増し分の3500台の多くはこのウルスが受け持つことになるだろう。2015年から18カ月間をかけて本拠地であるイタリアのサンタアガタの本社敷地を拡大し、ウルス専用のアッセンブリーライン棟を完成させた。この最新のファシリティにより日産25台レベルまでウルスの生産を可能にするという。ウルスは、今春からデリバリーが始まるとアナウンスされており、2018年には少なくとも1000台ほどのウルスの出荷を計画している。
もちろん追われるフェラーリも黙ってはいない。トップのマルキオンネは今まで否定的であったSUVの投入について、一転して、近い将来の市場投入をほのめかしている。これも“ウルス効果”の一つであろうか。もっとも、シューティングブレーク・スタイル(4座ハッチバックタイプ)のフォー(現行ルッソ)の開発時から、フェラーリSUVプロジェクトも並行して動いていたことは公然の秘密でもあり、虎視眈々とライバルの動きをお互い牽制していたということであろう。今夏はロールス・ロイスSUV、そしてハイパワー版マセラティ・レヴァンテの発表も噂されている。ラグジュアリーSUVマーケットはますます熱気を帯びていきそうだ。
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