日本人が知らないアフガニスタンを蝕む憎悪 「武器を取って戦う以外の解決方法がある」

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日本国際ボランティアセンターJVCアフガニスタン事業代表を務める小野山亮さん(左)と副代表を務めるサビルラ・メムラワルさん(写真:GARDEN編集部)
さまざまな社会問題と向き合うNPOやNGOなど、公益事業者の現場に焦点を当てた専門メディア「GARDEN」と「東洋経済オンライン」がコラボ。日々のニュースに埋もれてしまいがちな国内外の多様な問題を掘り起こし、草の根的に支援策を実行し続ける公益事業者たちの活動から、社会を前進させるアイデアを探っていく。

【講談社クーリエ・ジャポン×JVC×GARDEN】のコラボレーションで企画してきたシンポジウムの第7弾を、2月17日(土)に開催しました。

本記事はGARDEN Journalism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です

今回のテーマは、アフガニスタン。2018年1月24日に発生した、アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードにある英国のNGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」の事務所への襲撃は、世界中で報道され、皆さんの記憶に新しいかもしれません。中立的な立場で働くNGO組織さえも標的にされてしまう、大変危険な状況がアフガニスタンでは続いています。

日本国際ボランティアセンター(JVC)でJVCアフガニスタン事業副代表を務めるサビルラ・メムラワルさんの来日を機に企画した今回のシンポジウム。40年近く紛争が続くアフガニスタンで生まれ育ち「力」だけを信奉していた青年時代を経て、JVCで平和構築に携わるようになったサビルラさんのライフストーリーから、アフガニスタンが今必要としている支援、そして私たちができることを探りました。

サビルラさんと、同じくJVCアフガニスタン事業代表を務める小野山亮さんに、堀潤がお話を伺いました。

「今、アフガニスタンに安全な人は誰もいない」

:まず現在のアフガニスタンの状況を教えてください。

サビルラ:今アフガニスタンの状況は非常に深刻です。特に1月末から2月上旬にかけて多くの深刻な事件が起きました。1月20日には、外国人も多く泊まるカブールの「インターコンチネンタル・ホテル」が攻撃され、たくさんの方が亡くなっています。亡くなった外国人の中にはアフガニスタンのために働いてくれていた方もいました。また、1月27日にアフガニスタンの首都カブールで発生した非常に大きな自爆攻撃では、人々の命を救うはずの救急車が使われました。さらに1月29日、同じくカブールで治安部隊をトレーニングする軍学校でも攻撃がありました。特にお話ししたいのが、我々が働いているジャララバードというアフガニスタン東部の大都市で起こった人道支援を行うNGOをターゲットとした事件です。これはNGOが直接狙われた初めての事件で、スタッフの方も死傷しました。これらの事件を考えると、今アフガニスタンに安全な人は誰もいないということが言えると思います。中立な立場で働いている人道支援の従事者すら狙われるという現状があるのです。

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