日本人の多くが考えていない有事の資産防衛 北朝鮮危機で起こる最悪事態を想定してみる
挑発するアメリカ、一歩も引かない北朝鮮
今年のゴールデンウイークほど、さまざまなリスクを抱えながらの大型連休は過去、記憶にない。その背景にあるのが、米国民が選んでしまったドナルド・トランプ大統領だろう。就任100日が経過するというのに成果といえばTPP(環太平洋経済連携協定)からの脱退ぐらいで、打ち出す政策がすべて世界を混乱に陥れている。国家運営と企業経営をいまだに混同し、裁判官よりも選挙で選ばれた自分が偉いと本気で思っている……。大統領でありながら三権分立を理解できていない。
そんな大統領がいきなり始めたのが「北朝鮮」に対する容赦ないプレッシャーだ。オバマ政権が採り続けてきた「戦略的忍耐」を具体的な根拠も示さずに破棄し、本来なら表面化しないはずの「地政学リスク」を顕在化させた。空母カール・ビンソンを2時間で攻撃できる位置にまで近づけて、すべての選択肢は机上にあると脅す……。
しかも、脅す相手があの金正恩だ。側近や肉親さえも、躊躇なく抹殺する残忍さを持つ北朝鮮のドンは、予測不能、計算不可の人物だ。もともと金正恩は、金日成、金正日も成し遂げられなかった「祖国統一」を実現させたいと思い続けている。そのためには、手段を選ばないことが当然だと思っている。
第2次世界大戦の悲劇も、わずか数人の政治家の狂気がもたらしたものだ。北朝鮮から日本にいつミサイルが飛んでくるのかわからない、と言われる状況の中で、安倍晋三首相は「北朝鮮のミサイルにはサリン搭載能力がある」と国民を脅したが、その対応策はといえば、自治体レベルで「地面に伏せろ」とか「窓のない部屋で待機」といった能天気な警告しかない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら