米国の北朝鮮「先制攻撃」、今後ありえるのか 巨大原子力空母が半島周辺に来た意味は?

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金正恩労働党委員長が、核実験を「延期」した理由は?(写真:REUTERS/KCNA)

米国の情報アナリストたちは、4月15日に行われる可能性があるとされていた核実験を、北朝鮮が「延期」すると決断した理由探しに追われている。金正恩労働党委員長は、核実験こそ行わなかったものの、15日には平壌中心部での大掛かりな軍事パレードを開き、最新式の高性能な弾道ミサイルを誇示することで、この国の最も厳粛な祭日、建国者である金日成主席の生誕日を祝った。

北朝鮮がなぜ核実験を見送ったかについては、アナリスト間で一致した見解はない。中国政府の圧力や、米国による先制攻撃に対する懸念、あるいは、北朝鮮の敵対者たちを狼狽させ続けようとするあらゆる小さな出来事に関してまで憶測は広がっている。

そもそも「先制攻撃」など考えていなかった

衛星画像は北朝鮮の北東部、豊渓里(プンゲリ)の核施設が準備万端であることを示しているので、北朝鮮政府はいつでも実験を行うことができただろう。北朝鮮が、弾道ミサイルの先端に取り付けられるほど小型化させた核装置を開発するにはまだ超えるべきハードルがある。そのためにも、新たな核実験は不可欠のようだ。

実際、15日に行われた軍事パレードで、新たな弾道ミサイルを披露したことは、本格的な核保有国になるという、揺るぎない意欲を「隠す」つもりなど毛頭ない、という金政権の強いメッセージと言って良いだろう。

もちろん、これを日本、米国、韓国が認めるわけもない。そしておそらく、中国もこれを受け入れることはできないだろう。長期的な膠着状態にあった東アジアでは、今回をきっかけにより長い間、軍事的緊張関係が続くことになるのではないか。

こうしたなか、1つだけハッキリしていることがある。それは、米国が北朝鮮への先制攻撃、すなわち、「予防的攻撃」を行う意思は一切なかった、ということだ。不安定なトランプ政権における北朝鮮対策は、ミサイル防衛の強化、日本と韓国との協力拡大、制裁の強化に加えて、中国が北朝鮮政府に断固たる処置を取るだろう、という希望が入り交じっている。すなわち、過去20年間ほぼ変わっていないのである。

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