日本人の多くが考えていない有事の資産防衛 北朝鮮危機で起こる最悪事態を想定してみる
北朝鮮からミサイルが飛んで来ればどんなことになるのか。韓国を中心に少なくとも400万人が死傷する、とも予測されているが、現実はそんなものではないかもしれない。ミサイルが飛んできても、生き延びられるサバイバル術を身に付けておくしか方法はない。
日本のメディアの大半は、記者クラブで配布された資料程度の方法しか報道しないが、実際の有事の際にはどうすればいいのか。21世紀になってから最大の地政学リスクに直面するいま、有事の際の身の振り方を考えてみるのもいいかもしれない。
「有事」に強い資産とは「現金」それとも「金」?
たとえば、有事の際には大きく分けて「戦争中」と「戦争後」に分けて考える必要がある。そもそも戦争中は通常使えたものが利用できるのか、という疑問がある。たとえば、考えたくもないがもし首都圏などが戦渦にまみえれば、銀行のATMやクレジットカードといった専用回線を使うものは利用できなくなる可能性もある。バックアップ体制はあると言われるが、通信インフラが壊滅状態になることも想定しておかなくてはならない。そういう意味では、次のような最悪の事態を想定しておく必要があるだろう。
●現金しか使えなくなる可能性がある?
●金融機関が閉鎖して現金が引き出せなくなる?
●あらゆるATMが使えなくなるリスクがある?
●クレジットカード、デビットカード、電子マネーが使えなくなる?
どんなに多額の現金が銀行にあったとしても、銀行から引き出せなければ何の意味もない。銀行の決済システムに影響が出ればあらゆる取り引きがストップし、金融不安が拡大する可能性も出て来る。
また、戦争には「預金封鎖」といった金融機関の「モラトリアム(支払い猶予)」がつきものだが、日本が戦争に巻き込まれればそういった事態も覚悟しなければならない。
2016年11月にインドで起きた高額紙幣廃止、預金封鎖のケースでは、預金封鎖解除後も銀行のATMから現金が引き出せるようになるには相当の日数がかかったと言われる。銀行が閉鎖されていれば送金などもできない。専用回線で結ばれているはずの銀行も、通信網がダメージを受ければ弱い。高度に発展した情報化社会も、戦争には弱いはずだ。
というのも、東日本大震災のような自然災害の時は、被災地以外のスタッフがバックアップに奔走してくれるが、戦争の場合どうなるのか不透明だ。実際にそういう事態になってから考える、という方法しかないのだが、事前に準備できることはしておいたほうが良いだろう。
ちなみに、クレジットカードもかつてはカード自体が認証ツールになっていたのだが、現在では専用回線による認証を行っているために使えなくなる可能性もある。そもそも戦争中に現金以外の小切手やカード類が使えるのか。ネットが利用できても、物流が遮断されては意味がない。ビットコインなどもどんな値動きになるのか、まだ誰も知らない。
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