政治・外交の実態を少しでもご存じであれば、3点セットを切り分けて考えられないことは理解していただけるでしょう。米エネルギー省が日本へのシェールガス輸出の案件を認め始めている中で、「シェールガスは輸入させてもらいたいが、TPPは参加できない」などということは決して言えないのです。
いま、日本がやるべきこととは?
日本の政治は長年、選挙で投票してもらうために非効率な目先のバラマキに終始し、国家の将来のことを真剣に考える機会を失ってきたように思われます。今こそ、国民は本当の政治を求めています。政治が国民に本気で明るい未来を見せたいのであれば、安倍政権が優先してやるべきことは決まりきっています。それは、日本がアメリカの世界戦略に積極的に協力することによって、アメリカ経済が復活したときの恩恵を最大限に享受することができるようにすることなのです。
これからの世界はエネルギー事情が激変し、資源国として勝ち組であった多くの国々を苦境に追いやることは間違いないでしょう。そして、それらの国々の中では、革命や政変が起こるところも出てくるでしょう。そのような世界の激変期に、日本が没落せずに今までのポジションに居続けるためには、アメリカとあらゆる分野で信頼関係を深め、共存共栄を図っていかなければなりません。
しかし、それまでの道のりは決して平坦なものではありません。仮に2013年以降の円相場が100円前後で安定的に推移したとしたら、日本は通貨安による副作用の影響から免れることができないからです。金融危機後のアメリカや韓国、小泉政権下の日本の例が示しているように、再び日本でも中間層からこぼれ落ちる人々が増えてしまい、格差の拡大が進んでしまう可能性が高いのです。
さらに追い打ちをかけるのが、2014年4月に実施が予定されている消費税の3%増税です。この増税によって、日本の景気がさらに冷え込むことは間違いないだろうと考えています。そのように考えると、2014~15年にかけては日本経済が最も暗い状況になるのではないでしょうか。
しかしながら、「夜明け前がいちばん暗い」という言葉もあるように、アメリカ経済が想定どおり2014~15年に復活すれば、日本経済も2015年以降にその恩恵を受けることができるようになります。そして、エネルギー価格が今よりもずっと安くなる2017年には、企業の生産性向上と国民生活の向上が両立できるようになり、日本経済の復活が実感できる状況になるのではないでしょうか。
ただし、そのような状況になるためには、今、行われている大規模な量的緩和が失敗し、日本がインフレにならなかったという結果にならなければなりません。2%の物価上昇が実現することは国債利回りの2%超えを意味しており、それでは国家財政が回らなくなってしまうからです。
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