「ハラスメント」で刺されない若手との接し方

40代管理職は、20代とどう付き合うべきか

簡単に言えば、好きであったり、関心を持っていたり、期待をしているというような場合です。相手の存在が自分の中で大きなものであればあるほど、当然ながら近づきたくなりますし、自分の感情を相手に投影して、相手も同じように好意を持っていると勝手に認識したりします。

逆に、遠すぎる場合(この場合も、ネグレクト等、ハラスメントにつながる場合もあります)の原因としてよくあるのは、一番わかりやすいのは「相手への嫌悪感や不信感」です。仏教の四苦八苦にも「怨憎会苦」といって「会いたくない人に会う苦しみ」が入っているぐらい、嫌な人には近づきたくありません。

もうひとつあるのは、自分に人間不信や強い内向性、自信の無さなどの性格的特徴がある場合です。そういう場合は、相手がどうであれ、必要以上に心理的・物理的距離を取ってしまう傾向があります。

他者からのフィードバックを受ける

ハラスメントにならないように相手との心理的距離=物理的距離をコントロールするには、以上のように、適切な距離感を相手と自分の側からきちんと見て、判断するということが大切です。

そのためには、先に挙げたように、物理的距離の与える影響を観察するとともに、相手に対する自分の気持ちを明確に認識するべきです。ただ、「自分の気持ち」が自分で簡単にわかれば良いのですが、そうは問屋がおろしません。むしろ、自分の気持ちこそ、自分が一番わからないとも言えます。

自分の気持ちに気づくには、他者からのフィードバックが欠かせませんが、我々オッサン世代は、それなりに偉くなってしまっていたり、日本的長幼の序の影響を受けたりして、自然に若者が「あなた、こんな風に見えてますよ」などと言ってはくれません。

オッサン世代が他者からフィードバックをたくさん受けるのは至難の技ですが、受容的な雰囲気を醸し出したり、積極的に自分がどう見えているかを自分から聞いて回るなどの努力をしていかなければ、距離感を間違って、ハラスメントをしてしまうことからは逃れられないことでしょう。

文:曽和利光/株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
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