サンテレビがタイガース中継をしまくるワケ 全国各地に大型中継車を派遣

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中継時間過去最長は1992年9月11日のヤクルトとの首位攻防戦。9回裏の八木裕選手の本塁打の判定をめぐる抗議で37分中断したうえ、延長15回まで戦って引き分けた。番組が終了したのは日付が変わった午前0時41分。放送時間は6時間41分と、放送界史上最長となり、この記録はいまだに破られていない。

完全生中継は1969年の開局当時からの方針で、「中継は9時前で終わるものと思っていたので、とても新鮮に感じた」と、当時はまだ小学校6年生だった浮田信明プロデューサーは振り返る。

キー局系列の中継が終わったあとを引き継ぐ「リレー中継」もサンテレビならでは。

水曜と日曜のテレビ中継優先契約をタイガース球団から獲得している朝日放送からの依頼で、朝日放送の中継終了後、試合終了までを引き継ぐ「ABCリレー中継」を開始したのは1985年。タイガースが21年ぶりにリーグ優勝、球団史上初の日本一になった年である。

2017年シーズンは合計10試合をリレー中継した。キー局系列下にある朝日放送は番組編成上の制約があり、ゲームが終わっていなくても放送時間を延長できないことが多い。が、ファンは当然最後まで見たい。そのニーズを酌んだのがリレー中継で、系列でもなく、資本関係もないテレビ局同士がこうした形で連携している事例はほかにない。実際、朝日放送以外の在阪局とのリレー中継は行われていない。

サンテレビが中継を引き継いだあとも、番組制作は朝日放送のスタッフが引き続き行い、解説や実況もそのまま。朝日放送が制作した映像を通信回線でサンテレビに送り、サンテレビが電波に乗せる。緊迫しやすいゲーム終盤の中継になるだけに、「最高の場面を中継できることもある」(浮田プロデューサー)という。

全国各地に行く大型中継車

タイガース戦の放映権は人気が高く、キー局系5局+NHKとの7局での競合になる。開局からの49年間で、3000試合以上のタイガース戦を中継してきたサンテレビといえども、特別待遇は受けられない。一応、全試合申し込んではいるが、放映日程は球団がシーズン前に割り当ててくる。

特に開幕直後は競合が激しく、2017年シーズン、サンテレビに割り当てられた最初の放送日はホーム開催7試合(中止1回含む)目の4月14日。しかも単独ではなくNHKとの並行放送だった。だが、5月に入るとキー局系列局の放送が減っていくので、放映権を獲得できる日が徐々に増えていく。

サンテレビの大型中継車(写真:サンテレビ)

また、雨天で中止になったゲームの放映権を持つテレビ局は、再試合の場合も優先権を持つが、放送しない場合はサンテレビが譲り受けるようにしている。ビジターゲームの放送回数が多いのもサンテレビの特徴だ。2017年シーズンはサンテレビの単独放送が27回、朝日放送のリレー中継が1回、合計28回ビジター中継を実施しており、これは全テレビ局中ダントツの1位。2位は広島東洋カープのビジター中継を16回実施したテレビ新広島だ。

高頻度のビジター中継を可能にしているのは、サンテレビ自慢の大型中継車である。この大型中継車は北は横浜から南は九州まで、リーグ戦にも交流戦にも行く。

【2月26日15時13分追記】記事初出時、「北海道から九州まで」と記述しましたが誤りでしたので、「北は横浜から南は九州まで」に訂正します。

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