まばたきの回数が減ると、涙の量は減り、目の表面の角膜や結膜が傷つく。さらに、目が乾燥するだけでなく、目に必要な栄養分の補給や目の修復の妨げにもなるそうだ。長時間のパソコン作業やスマホの使用、コンタクトレンズの装着、エアコンなどは、ドライアイを進行させやすいので要注意。
スマホは”小さな太陽”
日常生活にスマホが浸透し、プライベートな時間だけでなく通勤途中でも、四六時中スマホ漬けという人は珍しくはない。スマホだけでなく仕事などでパソコンを使用していると、まばたきが減ってドライアイ、さらには眼精疲労になるだけでなく、画面のバックライトのLED(発光ダイオード)から放たれるブルーライトの影響も受ける。
「ブルーライトの人体への影響は研究が始まったばかりで、まだはっきりしていないことは多い。ただし、そもそも人間の歴史上、光源の光そのものをこれほど近くで長時間見つめるようなことが少なかったでしょう。そのため、目への光の影響が心配されているのです。ブルーライトを多く含むLEDディスプレーの機器は、いわば『小さな太陽』のようなもの。夜間の長時間の使用で不眠が引き起こされるなど、生体リズムへの影響にも注目が集まっています」(後藤院長)。
ブルーライトの研究成果は今後を待つとしても、小さな太陽を見続けることでの目や身体への影響は懸念されている。かすみ目や視力の低下、充血の影で、ブルーライトの暴露も増加。目から身体の不調が引き起こされている場合もあるため、「単なる疲れ目」と勘違いしてはいけない。
2倍離れるとブルーライトは4分の1に
ドライアイや眼精疲労、ブルーライトの影響を防ぐには、スマホなどの端末を見続けないことが大切。といっても、現代社会の便利なツールだけに、わずかな時間でも手放せない人はいるだろう。
「ブルーライトについては、『カットフィルター』や『ブルーライトグラス』を活用して、低減するように努めましょう。光のエネルギーは、距離の2乗に反比例するため、目からの距離を30センチから倍の60センチにすると、4分の1に低減することが可能です。画面の明るさも最大輝度からかなり下げても、目で見たときの確認のしやすさの『視認性』は確保できます。まぶしい画面に目は慣れやすいので、意識して輝度を下げるようにしましょう」(後藤院長)。
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