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45歳「酔うと化け物になる父」描いた女の稼業 小沢カオルはルポ漫画に気づきや学びを映す

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  • 村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター
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父親は自分以外の家族が宗教信者だという家庭生活にストレスを感じていたのかもしれません。月曜日から金曜日までは一滴も飲まないのですが、土日は意識を失うまでお酒を飲んでいました。もともとアルコールに弱い人で無理して飲んでいるんですよね。2~3杯でもう立てなくなるくらい酔っ払うんです」

前提から今ひとつうまくいっていない家庭だった、と小沢さんは語る。

母親の宗教問題が原因でいざこざが多い家庭だったが、小沢さんが初めて漫画を描いたキッカケもその宗教だった。

小学校2年のとき、母親にある施設に連れていかれた。

「その宗教の大きな集まりがあったみたいで、母がたの親戚(全員信者)も一同来ていました。そこでいとこが漫画を描いていたんですが、そこで私に『描いてごらん』って勧めてくれました。

私は漫画を読んだことがなくてさっぱりわからなかったんですけど。いとこはコマや吹き出しの描き方まで丁寧に教えてくれて漫画を描くのが好きになりました」

初めて描いた漫画は、この施設の名前をタイトルにしたホラー漫画だったという。

おカネをかけない遊び

しかし小学校2年生まで漫画を読んだことがないというのは少し珍しい。

「父が見栄っ張りなので家のローンを通常の半分の期間で返す設定にしていたんですね。それでも父親は飲んだりして散財してしまう。だから本当の貧乏ではないんだけど、いつも現金がない雰囲気でした」

その雰囲気を察して、小沢さんは健気にもおカネを極力使わないようにしていた。

「電気代を節約しようと思ってテレビをいっさい見ませんでした。小学生からの癖でいまだにテレビはいっさい見ない生活なんですよね。漫画は読まないですし、本が読みたいときは図書館に行って借りていました」

自室でおカネをかけない遊びをした。その一つが漫画を描くことだった。

父親は土日には酔っ払って、小沢さんの家で近所の人たちと麻雀をした。身勝手に家に上がり込んでいる人たちを小沢さんは強く憎んだ。

「酔っ払う父親もイヤでしたけど、近所の人のほうがもっとイヤでしたね。勝手に上がり込んでほんとうにひどい人たちだって思っていました。父親に『もう他人を家に上げないで』って頼んでも土日には近所の人たちが家に勝手に上がり込んでくる……。最悪でした。

ただ今考えると近所の人たちは、母に頼まれて宗教の機関紙を取っていたんですよね。それで『その代わりにあんたんちで麻雀くらいさせなさいよ!!』という暗黙の了解があったのかもしれません」

母親は家の収入を助けるために信仰する宗教の機関紙の配達をはじめた。その宗教には機関紙の販売に実質的なノルマがある。ノルマを果たせない知り合いの信者は、小沢さんの母親に泣きついた。

母親は断りきれず機関紙を取ってあげた。その頃、小沢さんの家では同じ機関紙を6部取っていた。もちろん有料だ。パートで稼いだ収入は出ていった。

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【母親の自殺】

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