「起業家という名の無職」になりがちな人々 実務での実績がなければ誰も寄ってこない

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たとえば選択肢の1つである他人の自己実現を支援する仕事。これはおカネがあればできるというものではありません。自己実現に係る悩みを抱える人は、開業資金がある人の話を聞きたいわけではなく、自己実現を実際に図ってきた先人の話を聞きたいものです。

なぜならば、そういった先人であれば、リアルな悩みと解決を通じた実際の話や実体験を基にしたアドバイスをくれるであろう、という連想が働くからです。

自分と同じような自己実現に悩む段階からいかに抜け出したのか、そういったリアルな話を聞きたいわけであり、何も開業資金を用意できただけの人の話を聞きたいわけではありません。

実際にSさんも、キャリアにおける相談をこうして本コラムにされているわけですが、それは私がその分野において実績があるからにほかならないはずです。そもそもキャリア開発の面において実績があるから私もこうして人の相談に乗る連載をさせていただいているわけです。

何も資金があったり、コネがあったり、または自称専門家なわけではありません。自分の実体験も実績もないのに、薄っぺらな知識だけで語ろうとする人の話を聞きたいとは誰も思わないでしょう。

近道は実績を創りあげること

したがって、Sさんとして一番の近道は、ご自身が自己実現を図ってきた実績を創りあげることです。

なお、Sさんは自己実現という言葉で、実質的には社会人のキャリアにおけるキャリアパスという分野に絞られているようですから、たとえばまずはSさん自身がキャリアにおいて一般とは異なるパスで成功を収めてみる。
コーチングなどの分野ではすでに職業として従事されている方たちや成功を収めていたり方がいますから、これから参入するSさんとしては差別化が必要です。

つまり、相談をしたいと思う人がSさんを選ぶ理由を構築しないといけません。

だからこそ、あくまでもたとえばの話ですが、「一般とは異なる」パスで、と申しあげたのです。

私自身も一般とは異なる形でのキャリアを形成してきたからこそ、こうして連載を持っていますし、本も定期的に出版できているのです。

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