有名「女子校制服」、メルカリ大量出品の裏側 白百合・品川女子・・・誰が売っているのか?

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このデータが示すのは、大掃除がきっかけで売るのではなく、夏休みのお小遣い確保ということか。よもや後輩が痴漢被害に遭うリスクを助長させることになりかねないとは想像もしていないということか。

メルカリも制服の出品を禁止へ

場合によっては学校のイメージダウン程度ではすまない可能性もあるが、各校はこの現状をどう考えているのか。10件以上の出品が確認された8校と、ほとんど出品がなかった聖心女子、雙葉、学習院女子の合計11校に取材を申い込んだ(白百合については九段の白百合学園のみに依頼)。

このうち回答があったのは白百合、堀越、桜蔭、豊島岡女子学園、聖心女子、雙葉の計6校。東京女学館は書面で取材拒否を通知してきたが、ほかの4校は応答がなかった。

特筆すべきは白百合である。同校は数年前、ヤフオク!が注目され始めた頃に、一度かなりの対策を講じている。

在校生には出品をしないように呼びかけ、サイズが合わなくなるなどして着なくなった中古の制服を学校側が生徒から無料で引き取り、制服を切られたりした生徒に緊急時に提供するため、保健室に置くなどした。

同時に、出品されている制服を落札し出品者を突き止めることも考えたが、「価格が上がりすぎて落札できなかった」(白百合学園)。

この措置は、制服が集まりすぎて処分に困るようになっていた頃、ヤフオクが制服の出品を禁止したことを機にやめている。

一方、メルカリにこれほど大量の出品がされていることについて、学校側は把握していなかったようで、「正直なところ、ヤフオクが出品を禁止したことで油断しており、メルカリはノーマークだった。あらためて抜本的な対策を考える」という。

桜蔭は「昨年の秋に気づき、在校生にはホームルームで制服を売らないよう、注意喚起をしたが、卒業生については手を打てない」。堀越も「正直、まったく把握していなかった。従来から卒業するときには売らないように言ってはいるが、制服は個人の所有物でもあり、限界はある」とし、「現状以上の対策は考えていない」という。

豊島岡女子学園は「何か対策が必要であると認識しているし、他校とも意見交換をしているが、効果的な方法はないという学校がほとんど。効果的な方法があるなら知りたい」という。

出品がほとんどない聖心女子、雙葉にその秘訣を聞いてみたが、両校とも「普段から制服を大切にするように言っている程度で、これといって何もしていない」という。

「誰が買うのか、どう利用するのか想像してみれば気持ちが悪くてできないはず。強いて言えば、自分も人も大切にしなさいと常日頃言っていることの意味を生徒が理解しているということかもしれない」(聖心女子)

もっとも、ヤフオクには今も制服は出品されている。ヤフオク側の基準で出品を削除する対象にしただけで、基準に抵触しなければ削除されないからだ。ちなみに出品を削除する基準は「悪用を避けるため開示しない」(ヤフー)。

メルカリも「近日中に学校の制服を出品禁止対象にする」と明言しているが、根強い需要がある以上、実効性を高めるには卒業生の出品を阻止するしかない。同窓会組織への呼びかけや、同じ悩みを抱える学校同士の情報交換なども必要だろう。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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