サムスン副会長「経営復帰」で何が起きるのか 贈収賄事件の控訴審で執行猶予付き判決
2016年秋に疑惑が取りざたされ、結果、現職大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏が弾劾・罷免された韓国の国政不正介入事件。この事件の首謀者とされ、朴前大統領の友人である崔順実(チェ・スンシル)氏に巨額の賄賂を贈った容疑で逮捕されたのが、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(50)である。
李副会長は一審で懲役5年の実刑判決を受け服役していたが、ソウル高等裁判所は2月5日、同氏に対し懲役2年6カ月、執行猶予4年の判決を出した。この判決により、李副会長はほぼ1年ぶりに釈放された。
ソウル高裁は同日、李副会長以外にもサムスングループの元・現職役員5人に判決を言い渡した。一審で実刑を受けたサムスングループ未来戦略室の崔志成(チェ・ジソン)元室長(67)、張忠基(チャン・チュンギ)元同室次長(64)などにも懲役2年、執行猶予3年などの判決を言い渡した。
一審での有罪認定の大部分が二審で無罪に
控訴審で最大の争点となった賄賂供与について、崔順実氏の娘に対する乗馬競技への支援の一部に対する容疑のみを認め、その他崔順実氏がかかわる財団への資金提供については無罪となった。同時に、特定経済犯罪加重処罰法上による横領と財産の国外逃避、犯罪収益隠匿処罰法違反などはすべて一部が有罪、あるいは無罪と判断され、李副会長の罪が軽減された。
ソウル高裁は「この事件は国内最高の政治権力者である朴前大統領が国内最大の企業集団であるサムスンを脅迫し、崔順実氏の行き過ぎた母性愛の下で私益を追求、被告人が彼らの要求を拒否できないまま賄賂を提供した事件」と規定した。一審での「政治権力と資本権力の不道徳な密着であり、政経癒着の典型」との判断は完全に覆されたことになる。
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