サムスン副会長「経営復帰」で何が起きるのか 贈収賄事件の控訴審で執行猶予付き判決
今回の判決に否定的な世論を意識して、李副会長は当分、自らの行動に注意するものと思われる。2月9日の平昌冬季五輪開会式に出席する可能性も取りざたされているが、現段階ではその可能性はほぼないというのがサムスン側の説明だ。
対外的な行事を通じて、李副会長は「第三の創業」を宣言する青写真を示すのではないかとの観測もある。2月12日にはグループ創業者の故・李秉喆(イ・ビョンチョル)会長の誕生日だ。3月はグループの前身となる三星商会設立80周年を迎え、また李健熙会長が「第二の創業」を宣言しグローバルサムスンを誕生させて30年を迎える月であるためだ。
韓国財界は経営復帰に好意的
また、李副会長が経営スタイルの変化を、注意深く探る可能性もある。2月23日の株主総会で初めてとなる株式分割を行い、李副会長がトップに依存する経営構造を株主と取締役会中心の経営へ全面的に刷新する可能性も高い。サムスン電子の場合、2~3人の社外取締役を外国人CEO(最高経営責任者)出身へ交替させるなど、取締役会の多様性を大幅に強化するとの観測もある。
サムスンによる投資と雇用の拡大も行われるだろう。サムスン電子は昨年、自動車向け電子装備企業であるハーマン社を買収して以降、これといったM&Aを行っていない。半導体が好況であるがゆえに、将来のキャッシュカウに対する備えが足りないのも実情だ。
李副会長の手足が縛られている間、ボアオ・アジア・フォーラムなど海外イベント出席による海外ネットワークづくりもまた十分ではなかった。政府の政策に呼応した大規模投資と、それによる雇用拡大も期待される。
財界は「今回の判決は経済全般に好材料となるだろう」という前向きな反応を見せている。李副会長の弁護団は「重要な控訴事実に対し無罪判決を出した裁判所の勇気と賢明な判断に心から敬意を示す」と発表した。一方、2月5日のサムスン電子の株価は一時3.56%下落したものの、判決が出たあとは前日より1万1000ウォン(約1000円)高となる239万6000ウォンで商いを終えた。
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