「池の水ぜんぶ抜く」成功が映すテレビの将来

テレビ東京系正月特番、高視聴率を叩きだす

この大成功の要因は、ここまで書いた内容でお分かりの通り、「池の水ぜんぶ抜く」という、シンプルにして大胆なアイデアの勝利である。

そして、少し大げさかも知れないが、私はこのアイデアに、テレビメディアの未来を見るのである。つまり、「見たいもの」を見せるのではなく、「見たこともないもの」を「見たいもの」に転換する装置としてのテレビ。

博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が、昨年6月に発表した「メディア定点調査2017」によれば、メディア接触時間の中の割合として、「モバイル」「パソコン」の合計は46.2%と、「テレビ」の39.0%を既に圧倒している。

こうなってくると、限られた1日のメディア視聴時間の中で、「携帯・スマホ」「タブレット」「パソコン」=つまりネットでは応えられない、テレビだからこそ応えられるニーズを創出し、ネットから時間と人を奪ってくることが、大きな課題となってくる。

ネットにはないテレビの優位性は?

ネットがもたらす生活価値の核心は、その圧倒的な検索性だ。「見たい」「聴きたい」「読みたい」と思ったものが、一瞬にして画面に並べられること。求めるコンテンツが頭の中でハッキリとしていれば、それは即座に、ネットに託されることとなる。

私はたまに、スマホで検索したYouTubeの懐メロ映像を、テレビに投影して見ることがある(加入しているCATVのサービスの1つ)。そのときにはいつも「テレビメディアなんていらないのではないか」という感覚を一瞬抱く。なぜなら、テレビ放送の映像よりも、もっと「見たいもの」が、同じ画面に投影されるのだから。

対して『池の水ぜんぶ抜く』である。水を抜いた池の底など、ほとんどの人々は見たことがなかっただろう。見たことがない映像は、当然のことながら、スマホで検索されることはない。結果、人々は、水を抜いた池の底や、そこに生息していたアリゲーターガーやブルーギルを、スマホではなく、テレビで初めて見て、驚嘆するのである。

言い換えれば、「見たことのないもの」を探し当てること、その「見たこともないもの」を「見たいもの」に転換すること。これが、テレビメディアの生命線となると考えるのだ。

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