JT寺畠社長「加熱式たばこは必ず巻き返す」 2020年にシェア4割を取り、リーダーになる

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だが、競争は始まったばかり。さまざまな不確定要素はあるものの、2020年末で国内市場全体の約3割を加熱式たばこが占めるとみられる。その時点では加熱式たばこ市場で4割のシェアを取り、リーダーでありたい。

海外ではまだ加熱式たばこの市場が形成されておらず、グローバルではこれから長期的な戦いになっていく。巻き返すチャンスは大いにある。

──たばこ増税が決まり、受動喫煙の防止対策についての議論が進むなど、逆風が吹いています。

紙巻きたばこは4年、加熱式たばこも5年かけて増税されることになった。これまでは増税時に(一部銘柄で本体価格を)値上げすることで利益を確保してきた。今後も増税時の状況を見ながら販売価格を決めていきたい。

欧州都市部では屋外で喫煙可能

受動喫煙防止対策の強化は、たばこの販売に影響があるだろう。ただ、その影響がどれくらいなのかは、詳細な内容が決まっていないので見極めるには至っていない。

寺畠正道(てらばたけ・まさみち)/1965年生まれ。京都大学工学部卒。1989年日本たばこ産業(JT)入社。海外事業を統括するJTの子会社・JTIの副社長を経て2018年1月から現職(撮影:今井康一)

たばこが吸える環境は非常に大事だ。欧州の都市部には多くの飲食店に喫煙可能なテラス席が設けられており、基本的には屋外では喫煙できるようになっている。喫煙者や非喫煙者、飲食店など、それぞれの考えを尊重した議論がなされることを望んでいる。

──国内は厳しい環境が続く一方、海外では積極的にM&A(企業の合併・買収)を実施してきました。

国内は収益柱として重要である一方、今後の成長ドライバーが海外になることは間違いない。大規模な買収は案件が限られてきているが、アジアやアフリカ、南米など新興国では可能性がある。

私の在任期間中にできることは海外で販売本数を増やしていくことだ。シェアを取りきれていない市場もある。高値づかみだといわれても、将来のリターンが大きいと判断すれば躊躇しない。中長期的に互いにメリットがある企業には積極的に投資していく。

(『週刊東洋経済』2月3日号「トップに直撃」に加筆)

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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