相手が住んでいた家の契約更新に伴い新しい家を探しはじめたことが、結婚のきっかけになったという。その時点で相手はいずれ仕事で1年間海外に行くことが決まっていたため、賃貸にすると礼金敷金が無駄になってしまう。そこで2人でマンションでも買おう、そのローンを組むには結婚したほうが得だよね、と話が進んでいったのだそうだ。
今回、「早婚女子」という前提のもと取材を申し込んだが、Eさん自身もやや「早婚」と感じているようで、「25歳なら少し早いかな。20代前半は早い、後半でかけこみ という印象」と言っていた。
結婚後の生活については、メリットしか感じないという。「結婚ってもっと、夫婦がいつも一緒にピタッとくっついているイメージでしたが、実際はそうでもなく、いい意味で意外でした。恋人ではないので、駆け引きやけんかで感情的になって別れることもありません。夫婦になって『彼は必ずここにいる』という安心感が生まれました」。
最後Eさんに、夫婦とは何かを尋ねた。「もちろん愛しているけれど恋愛ではない。今は一緒に夫婦を運営する仲間、チームだと思う」と言っていた。
早婚=ゆるキャリ思考ではない
ここまで、5人の女性のインタビューを通じ、早婚した人の現状を伝えた。家庭と仕事に関する考え方について、最近の20代とそれ以前の世代では少し変わってきていると感じた方もいるのではないだろうか。
当然ながら、早婚することによるリスクがないわけではない。いちばんの懸念は、早婚によって仕事上のキャリアがどうなるかという点だ。
結婚したことだけで生活は大きく変わらないとしても、出産すると子育てのために残業ができないなど、時間の制約が大きくなる。若いうちは残業もいとわず自分の時間をすべて仕事に捧げる人も多い会社員である場合などは、仕事の経験やキャリア構築に差がつく可能性はないとは言えない。
ただしここまで見てきたように、彼女たちは仕事に対する意欲が低いわけでも、辞めることを望んでいるわけでもないのだ。仕事が本格的に忙しくなる前に若いうちに結婚したいという人も今回紹介したように、早婚=ゆるキャリ思考(バリバリとは働かない)と考えるのは早計だ。
未婚化、少子化が問題になる日本だが、若者たちに話を聞くと、結婚への意欲がなくなっているわけではないと感じる。むしろ人生を長期的に見て設計するからこそ、生活を安定させるためにも、関係性が比較的対等な相手と早めに結婚するという選択をする女性たちがいるのだ。
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