25歳前後で「早婚する女子」たちの実態と本音 未婚化、晩婚化の中で生まれる「新しい潮流」

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そうした彼女たちの考え方を会社や社会が知り、サポートすることができるなら、働き、稼ぎながら子どもを産み育てる女性が増えていくことにつながるのではないだろうか。

原田の総評:「もっと上」よりも「安心感」

若年女子の早婚の兆しについての現場研究員のレポート、いかがでしたか?

こうした「早婚女子」が生まれる背景には、彼女たちの価値観が大きく変化してきていることがありそうです。

たとえば、おそらく今の若者は、昔の若者ほど、もっと上、もっと上へとより条件のよい結婚相手を求めなくなってきている傾向があるように思います(もちろん、以前も皆がそうだったわけではないのですが、日頃多くの若者たちと接していて、今よりそうした傾向が強かったように思います)。

ザ・ブルーハーツのヒットソング『夢』には、「あれもほしい これもほしい もっとほしい もっともっとほしい」という歌詞がありますが、かつての若者は、消費においてもっと良いものを求め続けたように、恋愛の相手についてももっと上の人を求めていたかもしれません。しかし、今回のインタビューに出てきたように、今はそれよりも「安心感」を求める人も多くなってきていると感じます。それだけ社会不安が大きくなっている、欲が減ってきているとも言えるかもしれません。

また、女性が働くことにおいて以前よりもより戦略的になってきている、ということを示している可能性もあります。つまり、今の若年女性にとって一生働くことは大前提。であれば、出世がまださほど関係しない若いうちに、出産・子育てを終え、中年期以降にバリバリ、男性に引け目なく働こうという意思です。

もちろん、今回のレポートはあくまで少数のサンプルを取り上げたものにすぎず、日本の若年女性全体では未婚化・非婚化がどんどん進んでいる、というのがマクロトレンドであるのは間違いありません。

しかし、今回の例に出てきた早婚女子の考え方に共感できる若い女性も増えてきているのではないでしょうか。少なくとも大都市部の一部の女子の間では、こうした傾向が強まってきていると実感する若者も少なくないようなので、徐々に顕在化する可能性もあります。ぜひ、この傾向に注目して若者たちを見てみてください。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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