日東電工はなぜトップシェア製品が多いのか

柳楽幸雄社長に独自戦略を聞く

液晶パネルに欠かせない部材、偏光板で約4割の世界トップシェアを握る日東電工。同社は「グローバルニッチトップ」戦略を掲げ、偏光板以外にも、半導体ウエハ保護フィルム、電子部品の製造工程で使われる熱剥離シートなど、世界トップシェア製品をそろえる。
目下、旗を掲げるのはグローバルニッチトップ戦略の進化型「エリアニッチトップ」戦略だ。なぜニッチトップにこだわるのか。シェアトップを維持する秘訣は何か。柳楽幸雄社長に聞いた。

――主力製品の液晶パネル用偏光板で世界トップシェアを維持しています。

偏光板は数年前までは液晶テレビ用が中心だった。今でもその液晶テレビ用しか手掛けていなかったら、偏光板事業の成長は止まっていたと思う。用途転換していくことが、シェアを保っていく秘訣だ。

偏光板の歴史は古い。もともとは時計やゲームに使われていた。それが液晶テレビの普及で大型化した。しかし液晶テレビはコモディティ化していった。今ではテレビに代わり、スマートフォンやタブレットが用途の中心になっている。

液晶パネルの進化に合わせて、偏光板も進化させていったこともある。たとえば位相を変えるフィルムを加えたり、広視野角にしたりと、液晶パネルではカバーできないところを、偏光板で手伝うようにしていった。顧客にとっても、出来合いの液晶パネルを買ってくるより、開発段階からわれわれ偏光板メーカーと組んだほうがいいというように徐々になってきた。

このように用途転換で製品を進化させていくことが、シェアを保つ秘訣だ。今や液晶パネルだけでなく、タッチパネルに使われる透明導電性フィルムも収益柱になっている。

まずは性能を考える

――デジタル製品にコモディティ化はつきものです。部材のコモディティ化はどうやれば避けられますか。

われわれが製品を展開するうえで、まず考えるのは性能だ。その次が生産キャパシティ。最後が値段だ。ところが製品がコモディティ化すると、その順序が逆になる。まず値段を見られ、次に生産キャパシティ、最後に性能となる。

そうなる前に、どうやって勝ち方を変えるかが重要だ。そのためにわれわれはどこへでも行く。創業95周年だが、今や売り上げの約7割が海外。従業員も日本人は約3割に過ぎない。売り上げ規模が200億円ほどしかないときに、台湾で工場もつくった。その何でもやろう、どこでも行こうという精神が今でも根付いている。

今では70くらいの業界と取引をしている。住宅や自動車、ライフサイエンスなど分野は広いが、すべて祖業のテープの延長線上のビジネスだ。幼児用の紙おむつのテープから墓石用のテープまで、文字通り「揺りかごから墓場まで」の製品をそろえている。

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