2013年のころは、40代前半(29.9%)→40代後半(26.2%)→50代(22.4%)→30代後半(14.0%)→30代前半(5.6%)の順で、多かった。が、ここ最近は少し傾向が変わっており、2017年度は多い順に、40代前半(32.4%)→30代後半(28.1%)→40代後半(15.1%)→50代(12.2%)→30代前半(10.8%)と、30代後半の割合が増えている。
今の30代後半の世代は、就職氷河期に就職活動した世代で、当時、多くの企業が新卒採用を控えた。そのために組織構成上、この世代の人材がどこも不足している現状がある。30代後半は経営層と若手社員をつなぐ、組織運営の屋台骨となる人材。企業側は、そうした役割を担える経験を積んだ30代後半の社員を、好待遇で採用したいと考えているケースも少なくない。
求職者側の状況に目を移すと、上にはバブル期の大量採用世代や団塊ジュニア世代がいて、ポストに空きがない状況。ただ、今勤めている会社では主任やリーダーのクラスだったとしても、リーダーシップとオーナーシップ(自主性)を発揮して事業に貢献してきた実績や海外事業を推進した経験があれば、社外に目を向けることで現職以上のポジションで迎えられる可能性は十分にある。
実際に大手電機メーカーに勤めていた主任クラスの社員は、転職活動をした結果、大手素材メーカーに課長として迎えられ、年収も900万円から1000万円にアップした事例もあった。
職務履歴書には「自分は何ができるか」を明示
最後に、経験・スキルを適正に評価してもらい、年収1000万円の待遇で転職を果たすためのポイントをアドバイスしておこう。
まず、「今、勤務している会社の事業目的」と、「その組織の中で、自身が果たした役割」、そして「成果(経営・事業にどのような影響を及ぼしたのか)」まで職務経歴書に記載し、経営視点をもって業務に取り組んできたことを伝えることが大切だ。
また、経験が豊富であるゆえに、記載内容は多岐に渡り、結果、強みが伝わりにくくなっているケースが意外と多い。応募をする企業が上場企業であれば、投資家情報などの資料を活用して現状を考察し、経営・事業課題を想像することからはじめる。そして、応募ポジションに求められる役割に落とし込み、その会社に合った売り込みの「テーマ」を見つけて、過去の経験から、「自分ができること、貢献できること」を明確に伝えることを意識するといいだろう。
転職を希望する会社に「この人に会ってみたい」「この経験についてもっと聞きたい」と思われる書類を作成することが大事だ。そうすれば、面接の場では、自分の強みについて話ができる。いかに自分の土俵で勝負ができる状況を書類選考の段階で仕上げておくか。それが年収1000万円での転職のカギを握るといってもいいだろう。
リクルートエージェントのデータでは、年収1000万円以上で転職を果たす人は、年収も上がる傾向にある。実際、2017年度上期の集計(2017年度上期に転職を実現した、求職者の転職前の申告年収と転職決定時に提示された理論年収を比較)では、約7割が年収アップを実現させた。外の世界(転職市場)に目を向けて、行動を起こしてみることで、現職以上のやりがいと報酬をつかむチャンスが広がってくる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら