LGBTをよくわかっていない人も学べる超基本 「周りに居て当たり前」動画配信で届ける情報

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村木:メディアの方からの研修依頼も多いです。「これはよかった」と喜ばれるのは「用語集」。言葉の使い方がどんどん変わっていっているので、「今はこれが適切な言葉と言われている」「これはこういう理由で適切ではない」と用語集的に説明をすると喜ばれる。また、メディアで取り上げるか、取り上げないかの価値判断については、何が社会課題なのかを知っておかないと、「取り上げるべき」「取り上げるほどではない」という判断がつかない。そこにある課題をまず理解していただくことが大事かなと。取り組みに関して大事なのは、「その課題の解決策にちゃんとひも付いているか」です。「ほかのところもやっているからやっている」だと、ちゃんと課題解決策まで結びつかないケースが多々あるかなと思っています。安易な形ではなく、当事者の課題に向き合っていないと、ちょっと上滑りしてしまうものになるおそれはありますよね。

:今メディアが議論し、知見を集め、優先順位をつけてまず取り上げていくべき問題は何でしょうか?

子ども達の問題はやってほしい

村木:そうですね。まず、子ども達の問題はやってほしいなと思っています。教育の問題は10年先のことを決めていくので、まずは子ども達のことをやってほしい。それもあって、若者支援に取り組む「認定NPO法人D×P」の方とコラボしてイベントをやることにしました。

:村木さん自身は子どもの頃を思い出すといかがでしたか?

村木:18歳の時に自分がレズビアンだなと確信したのですが、周りにはレズビアンだとカミングアウトする人がまったくいませんでしたし、テレビの中にもいなかったぐらいですから本当に想像がつかない感じでした。今の子どもたちも同じ状況かもしれない。

:カミングアウトやアウティング(本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向や性同一性等の秘密を暴露する行動のこと)については、メディアでも取り上げられたことがありますね。

村木:LGBTは、子どもの頃からの成長過程でいろいろな困難に直面しますが、その時々でカミングアウトの壁が効いてくるんですね。自分のことを誰にも言えない、言っちゃいけないと思っていることで「助けて」と言えなくなってしまう。親や先生に相談することができなくなってしまう。だから余計に困難が続いてよりややこしい状況になってしまう。そういう傾向はあるかなと思っています。

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