LGBTをよくわかっていない人も学べる超基本 「周りに居て当たり前」動画配信で届ける情報
堀:親や先生が具体的にできることはありますか?
当たり前に教室にいる
村木:LGBT当事者の割合というのは約8%いると言われています(※2)。カミングアウトされてから考えようと思わず、「当たり前に教室にいる」という前提で考えてほしい。ほとんどの当事者は大人に言いません。わかってもらえないような気がするから言わないんですよね。なので、カミングアウトされなくても「当たり前にいる」と思ってください。たとえば、「〇〇君」「〇〇ちゃん」「男の子」「女の子」ではなくて、「〇〇さん」に統一するなど気遣いをしていただきたいなと思います。また、相談できるよというのも明示してください。
堀:「当たり前にいるんだ」という意識、大切ですね。メディアが取り上げるべき問題、ほかにはありますか?
村木:あとは、「LGBT」といってもいろいろな方がいて、特にしんどいのは重複する方。「精神疾患かつLGBT」とか、「発達障害かつLGBT」とか、「耳が聞こえないかつLGBT」とか。そういう人はまだあまりメディアに出てきていないですよね。LGBT当事者だけの問題では解決しない。障害の問題や発達障害の問題などに取り組んでいる人たちに気づいて支えてもらわないといけないんですよね。ですから、LGBT団体だけではリソースとしてもはや足りないので、ほかの社会課題に当たっている行政の人やNPO法人の人たちと手をつないでやっていく必要があると思います。フジテレビのバラエティ番組が問題になったときには、まさにいろいろな団体が手を挙げて「おかしい」と訴えてくれました。あの動きは本当にありがたかったですよね。
堀:最後に、視聴者の皆さんに一言。
村木:まずは、YouTubeのチャンネル「虹ステーション」を登録をして、動画を見てくださいということです。無料で公開するというのはそれなりの思いを持ってやっていますので、ぜひ役立ててもらえたらと思っています。
(※1)2017年12月22日時点で、東京都世田谷区で56組、渋谷区で24組、三重県伊賀市で4組、兵庫県宝塚市ではまだこれから、沖縄県那覇市では18組、北海道札幌市では32組、合わせて134組のパートナー登録がされた。
(※2) LGBT層に該当する人は7.6%「電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2015」を実施」株式会社電通ホームページ
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