「横田さんとのお付き合いは、どう?」
昨年10月に見合いをし、交際に入っていた横田徹(46歳、仮名)との交際状況を聞くと武井由美(39歳、仮名)は、いったん口ごもり、とても言い出しづらそうに、こう切り出した。
なぜ“交際終了”となった相手と?
「横田さんとメールのやり取りはしているんですが、最近はあまりお会いしていなくて。それで、あの実は……佐伯さん(49歳、仮名)と復活したというか。1カ月くらい前にメールをいただいて、ここのところ頻繁にお会いしているんです。なんだかこちらがうまくいきそうで……」
「えっ? 佐伯さんって、あの“交際終了”になった佐伯さん?」
「はい」
佐伯は8月に見合いをした相手だ。交際に入ったのだが、5回会ったところで向こうから“交際終了”を出してきた。彼女は、見合い直後から彼に夢中になっていたので、そのときは見ていて気の毒なくらい落ち込んでいた。
横田とは佐伯との交際が終わった直後に見合いをし、交際に入っていた。横田と交際していたはずの由美が、なぜ“交際終了”になった佐伯とまた会っているのか?
そもそも交際終了になった相手に連絡を入れるのは、結婚相談所内ではタブーな行為とされている。放置すればストーカー行為にもつながるからだ。ペナルティが科される場合もある。
由美もルール違反だとわかっていたから、私には黙って佐伯に会っていたのだろう。ただ、大好きだったのに振られた相手からの連絡。ルール違反だとわかっていても、二つ返事で会いに行ったに違いない。
「実は、最近結婚の話も出てきているんです」
由美はうれしさを押し殺すように言った。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら