婚活女性を骨抜きにする「アラフィフ男」の策 「恋多き女」は刺激とドラマを求めるものだ

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由美は、何かにつけておカネの話をしてくる佐伯に疑問を感じ、燃え上がっていた気持ちもしだいにクールダウンしていった。

そんなときに、メールのやり取りだけはしていた横田から、「久しぶりに会いませんか?」とメールが来たので、神楽坂で一緒に食事をした。

そこで由美は、聞いてみた。

「横田さんは、結婚した後に女性に働いていてほしいほうですか?」

「そうですね。僕は専業主婦は好きじゃない。なんらかの形で女性は社会とつながっていたほうがいいと思うから、働いていてほしいです」

「それって、結婚後も女性がフルタイムで働くということですか?」

「働きたければそれでもいいけれど、自分の好きなものを買える、お小遣い程度稼いでくれればいいですよ。この年齢だと、子どもは授かれるかどうかわからないですしね」

長い年月の結婚生活を考えると…

この話を聞いて、由美はなんだかほっとして肩の力が抜けたという。佐伯と横田、女性をドキドキさせ夢中にさせるテクニックは、確かに佐伯がずば抜けて長けている。おしゃれな店も知っている。見た目も佐伯のほうが断然すてきだ。

しかし、長い年月の結婚生活を考えたら、何かにつけおカネにうるさい佐伯と暮らすよりも、日常に転がっている小さな幸せを積み立てながら、のんびりと横田と暮らしたほうが穏やかで楽しいのではないだろうか。

由美は私に言った。

「もう一度真剣に横田さんと向き合ってみます」

由美が、“結婚はやっぱり考えられない”ことを告げると、佐伯は慌ててその理由を問いただしてきたそうだ。

「どうして急にそんなことを言い出すの? もしかして、この間話した家計のこと? じゃあ、僕が20万、キミが10万、お袋が10万の40万で生活すればいいんじゃないの?」

佐伯はどこまでもおカネに固執してきた。

後にわかったことだが、佐伯はすでに相談所を退会していた。佐伯の相談所は休会の場合、月に数百円程度の在籍料を払わなければいけなかったようで、由美と結婚できると踏んだ彼は、その在籍料を払うのも惜しくなったのだろう。

結局佐伯との結婚を取りやめ、現在、由美は横田と結婚に向けての“真剣交際”に入っている。

ドラマチックな恋愛が大好きだった由美の終着点は、穏やかな日常を紡ぐ結婚になりそうだ。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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