「マンション駐車場」が有効活用されない事情 運営会社による談合まがいの行為も横行
しかし、相見積書をよく見ると、B社からの見積もりの提出先はマンション名ではなくA社となっている。不審に思った理事長が、B社になぜ宛先がマンション名ではなくA社なのかを尋ねたところ、「A社に見積書を提出してほしいと頼まれたからですよ」。B社の営業員である七田誠(仮名)氏は悪びれることもなくこう口にした。
「機械式では取りたくない」
重ねて料金算定の根拠を聞いたところ「うちはそもそも平置き専門(平面式駐車場)なので、機械式は取りたくない」と思わぬ答えが返ってきた。それなのになぜ見積書を提出したのか。「よくあることですよ。ほかの地域でうちが取りたい場合もあるし」(七田氏)。
つまり、B社はこのマンションではA社に有利な安い見積もりを出すので、別の平面式がある物件では自社に便宜を図ってほしい、というのだ。
今回東洋経済では、A社とB社に取材を申し込んだが、多忙を理由に期日までに回答を得ることはできなかった。
こうした談合まがいの行為がどれほどのマンションで行われているかはわからない。ただ、マンションの空き駐車場の外部貸し出しはなかなか増えていない。2012年からの約5年間で、最大手の日本駐車場開発ですら約50件程度。日本パーキングも同30件程度にすぎない。
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