「マンション駐車場」が有効活用されない事情 運営会社による談合まがいの行為も横行

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日本パーキングは東京建物グループが管理する物件だけに限って営業しているというが、東京都内にはマンションのストックだけで約176万戸(2016年末時点)あることを考えると、あまりに少ない。

その理由の一つが、価格面での折り合いがつかないことだ。

もともと駐車場の受託運営は採算性の高い事業とはいえない。運営会社は少しでも採算を上げるため、高い稼動率を追い求める。そのため、外部に貸し出す際には周辺の駐車場より安く料金を設定することも多く、運営会社は駐車場をマンションからできるだけ安く借り上げようとする。そのあまりの安さに二の足を踏むマンションが多いのだ。

マンション側の意思決定の遅さも要因

外部貸し出しが進まないのは、マンション側の意思決定の遅さも関係している。外部への貸し出しには、マンション管理組合総会での決議が必要となる。しかし、通常の総会は年1回。総会が終わった時点で営業をかけても、結論が出るまでに1年以上かかることはざらだ。運営会社からすれば、そんな案件に数少ない営業員を張り付けておくわけにはいかない。

運営大手の日本駐車場開発、日本パーキングでは、2015年くらいまでで受注がほぼ一巡。いまでも引き合いは続いているが、それほど多くはないという。こうした厳しい事業環境が、中小の事業者を談合まがいの行為に駆り立てる要因となっているようだ。

マンションの空き駐車場問題を解決するには、根本的には各自治体の駐車場に関する付置義務条例を見直す必要がある。それに加えて、駐車場運営会社に対しても、住民にとって一方的に不利益となるような契約を結ばないよう、法令順守の徹底が求められる。

筑紫 祐二 東洋経済 記者

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ちくし ゆうじ / Yuji Chikushi

住宅建設、セメント、ノンバンクなどを担当。「そのハラル大丈夫?」(週刊東洋経済eビジネス新書No.92)を執筆。

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