人望のある上司は「感情」抜きで人を評価する 好き嫌い評価をやめて「2軸思考」を使おう
この「2軸フィルター」とも呼べる機能を一度自分の脳に搭載してしまうと、本当に世界が違って見えます。つねに構造を意識し、物事の「全体像」を捉えることが習慣になります。そして同時に、わかりやすい図のほとんどが2軸でできていることにも気づくのです。
2軸思考で人材を評価するには、まず、マトリクスタイプでスキルを定量的に評価します。タテ軸に20人のメンバーを設定して、ヨコ軸に評価すべきスキルを書き出します。
たとえば、私が携わっているシステム開発であれば、「ITスキル」「管理スキル」「リーダーシップ」「コミュニケーション」「英語」などのスキルがあります。それらについて、5段階評価で採点します。
このケースでは、自分は新しい部門メンバーのスキルがわからないので、ほかの誰かに採点を行ってもらいます。自分で採点できる場合は自分で行いますが、より客観的にするには他の人にその点数をチェックしてもらうこと。複数の人が主観的に見ることで、客観的な定量評価に近づけられるようになります。
4象限タイプでプレイヤー、リーダーに仕分けする
そして、このマトリクスをインプットにして4象限タイプで人材評価をしていきます。
今回は、マトリクスにある複数のスキルの中からITスキルとリーダーシップの2つを軸に選択し、4象限で評価することにします。この2つを軸に選択した理由は、技術的な専門スキルの有無と、組織をまとめるリーダーとしてのスキルがあるかを評価したいためです。つまり、新しく担当する部門にプレイヤーとリーダーがどれくらいいるかを把握したいのです。
この結果、新しい組織の20人のスキル分布が下図のようであることがわかりました。
右上のセグメント①はITスキルとリーダーシップのどちらもスキルが高く、総合力の高い人材のエリアです。逆に、左下のセグメント④はいずれのスキルも低いことを示しています。そして、セグメント②と③はそれぞれ、ITスキルかリーダーシップの一方のスキルが高いという評価になります。
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