人望のある上司は「感情」抜きで人を評価する 好き嫌い評価をやめて「2軸思考」を使おう
たとえば、セグメント①の要員数が多い場合は上が詰まってしまい、組織が硬直している可能性があります。スキルと経験は上がっても、役職・ポジションが上がらないケースです。
セグメント①にいる優秀な人は、本来であればその一つ上のレイヤーの組織に昇進していくべき層です。
優秀で仕事ができるにもかかわらず、同じ組織で出世もしない場合は、そのメンバーのモラルに影響を及ぼします。すなわち、組織にいる優秀な人の数は限定的であるべきで、優秀な人は、どんどん上のレベルの組織や仕事にシフトすべきなのです。
セグメント④が少ない場合は、中期的視野で組織力を見た場合、成長が鈍化する懸念があります。このように、4象限とピラミッド組織構造とを見比べて組織の人材評価をすることもできます。
個人のキャリアの相談にも使える
人事評価などで人材を点数で評価することはどの会社も行っていますが、どうしても「総合的に点数が高い順に並べる」など「1軸」で評価しがちです。
1軸の総合点だけで評価してしまうと、それぞれの人材の個々のスキルレベルが平均点としてならされて長所・短所が見えず、組織として「適材適所」の配置ができなくなることになります。
たとえば、ITの世界では、「天才プログラマー」と言われるタイプの人材が存在します。彼らはプログラミングの技術は突出していますが、リーダーには向かないタイプの人が多かったりします。「だからダメ」ということではなく、それを正しく把握したうえで、技術的エリアで活躍できる仕事を渡すのがリーダーの仕事です。
2軸のスキル評価は組織のスキル評価だけでなく、個人のキャリアを考える上でも役立ちます。私は部下と定期的にキャリア面談を行っていますが、そのときに4象限の図を書いて話をしています。
ITスキルとリーダーシップの4象限を見ながら、「いまの自分のポジション」を共通認識し、中期的に「自分が狙っていきたいポジション」を確認します。そして、それを踏まえて「今年の重点スキルエリアを何にするか」を考えるのです。
ひとつの2軸フレームワークを前に話し合うので、誤解も生まれにくく、またメンバーもぼんやりした目標ではなく具体的に自分が中期的に進むべき道がわかり、そのためには今年をどのような位置づけにすべきなのかを把握できるようになります。
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