人望のある上司は「感情」抜きで人を評価する 好き嫌い評価をやめて「2軸思考」を使おう

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組織の人材のポジショニングが把握できたので、これを基に組織を立て直す作戦を考えましょう。まず、リーダー候補となるのはセグメント①か②に位置するメンバーです。リーダーシップに加えてITスキルを備えていると万能ですが、ITスキルがなくてもリーダーシップがあれば組織をリードすることはできます。

なお、セグメント②はリーダーシップが長けていて、セグメント③はITスキルが優れているセグメントです。今後の育成で、セグメント③のリーダーシップを伸ばすことはあり得ますが、目先の成果を考えるとセグメント②のメンバーをリーダーにアサインするほうが即効性があり、チームの立て直しに有効です。

一方、ITスキルが長けている人は、できるだけ技術的に難しい仕事を担当させることで本人の強みを生かすことができます。

セグメント④に位置する人材は、若手が多く育成対象となります。メンターをつけるなど、できるだけ早く成長できるような策を考えます。もし、このエリアにシニアなメンバーがいた場合、そのメンバーは育成対象ではありません。残念ですが、配置換えや、難易度・重要度の低いタスクをアサインするなど、別の策が必要になります。

スキル分布が「見える化」されると…

このように、組織の人材のスキル分布が「見える化」されると、体制の組み方、依頼するタスクの種類の検討がよりクリアになり、適切な策を打つことができます。また、セグメントごとの人数のバラツキも評価することができます。 

一般的にバランスのいい組織は図のように、セグメント①から④に向けて要員数が増えていきます。しかし、現実の組織ではこのバランスが崩れている場合があります。

次ページセグメント①の要員数が多い場合は…
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