2018年、日経平均3万円到達は十分ありうる 「かなり強気の3人組」が日本株を予測する
松本:2018年以降、2020年以降も含めて見た場合、リスクは何だと思われますか。
2018年の一番大きなリスクは「買い損ねる」こと
武者:私はアップサイド(企業収益が一段と増え、株価も上昇する)リスクについての過小評価が、一番大きなリスクだと思います。もちろん米国の金融政策などが万が一失敗する、あるい中国の景気が失速したり、不良債権問題が顕在化する、さらには北朝鮮を中心とした地政学リスクなど、さまざまなダウンサイドリスクはあると思います。
しかし、それは非常に小さいものです。アップサイドリスクが大きいにもかかわらず、みんな「金利が上がらないから先行きが厳しい」とか、「物価が上がらないから、よほど景気が悪いんじゃないか」などと、非論理的に心配していますよね。これが買い損ねることににつながるわけで、最も懸念すべきリスクだと思うんですよ。
阿部:リスクをどういう時間軸で見るかということも大切ですね。短期的には北朝鮮の問題もありますし、もう少し長い目で見るとトランプ政権が将来、ウォールストリートに支持されなくなるリスクもあると思います。
ただ、過去半世紀、もしくはそれ以上の長い歴史で見ていくと、こうしたレベルのものは、いつでもあったリスクですよ。大きな流れを変えるようなリスクだとは思いませんね。
今は2つの「時代の転換点」を迎えていると思うんです。ひとつはやっぱり米国の覇権の時代が終わったということ。それでいて、次の新しい時代の枠組みがどうなるかは、まだはっきり見えない。私たち日本が、がんばらなくてはいけない時代がまさに来ているのだと思います。
その流れの中で、もうひとつの流れとして、AI(人工知能)やIoT(あらゆるものがインターネットでつながること)、自動運転など、新しい道具も出てきています。これまで私たちが前提としてきたビジネスのやり方が根底から変わる。それを示唆している出来事のひとつが、ビットコインかもしれませんね。
松本:個人的には、私は中国の人民元リスクを意識しています。すなわち、金融緩和をすることで元安が加速化する動きがどこかの段階で起きると、世界的なリスクに発展する危険性があると思っているのですが、中国リスクについてはどうお考えですか。
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