2018年、日経平均3万円到達は十分ありうる

「かなり強気の3人組」が日本株を予測する

こうした、安定的な状態を取り戻すための政策が、リフレ政策だと思います。アベノミクスは典型的なリフレ政策ですし、米国のドナルド・トランプ政権も不人気ではありますが、まさしくリフレ政策をとっていますよね。このように、2017年は新たな産業革命の成果が個別企業だけの儲けにとどまらず、経済全体の需要創造に結びつきつつあるという流れが、かなりはっきりあらわれてきました。2018年は、これが一気に花を開かせるという、大きな転換点にきていると思いますね。

企業の行動はすでに積極的になっている

松本:先ほど「企業は儲かっているが、設備投資して儲かったわけではないので、株式市場的にはあまり受けがよくなかった」という阿部さんの分析がありました。設備投資がもっと出てくるとさらに雰囲気がよくなると思いますが、2018年は、そういう流れになるでしょうか。

阿部:すでにそういう動きになっていると思います。日本でも機械受注が急激に立ち上がっていますし、米国の耐久財受注や非国防資本財受注も同様に堅調です。中国もハイテク投資にものすごい力を入れています。このように、世界的な大きな投資ブームが起こりつつあるというのが、今の状況です。企業は儲けたおカネをバランスシートの中にため込むだけでなく、積極的に投資を始めていると思います。

企業の儲けが給料や家計の消費に結びつかないという問題は依然として残っています。しかし、企業の儲けが株価上昇となってあらわれ、実際にそこで価値が生まれれば、株主だけでなく、年金財政の改善なども通じて消費に結びつくというチャンネルも出てくるわけですよね。

こう言うと「お決まりのトリクルダウン理論か」との批判も出るかもしれませんが、企業の儲けを需要につなげるのは、何よりも株価上昇だと思うんです。企業の実体価値にふさわしい株価が形成されれば、企業の儲けはただちに経済の好循環の起点になり得るわけです。こうした現象は、実際に世界中で起こっています。

松本:私は、日本の企業はバブル崩壊後「傷んだバランスシートを修復しないといけない」という呪縛があって、この状態に20年間も30年間もどっぷりとつかってしまったので、いまなお急に前向きになれないのではないか、と思っています。実際、企業の行動パターンは変わってきているのでしょうか。

阿部:変わってきていますね。ここ2、3年、私たちの投資ポ信託の成績は極めて良好です。2017年は特によかったですね。この理由は、「感性がいいアグレッシブな経営者を調査によって選ぶ」というプロセスをコツコツ実践した結果だと思います。特に奇をてらった手法があるわけではなく、経営者とお会いして、その方のこれまで言ってきたことと今の勢いを感じとるのです。

武者:日本企業では非常に大きなビジネスモデルの転換が、この過去20数年で成し遂げられてきたと思うんです。つまり、昔の日本企業はテレビも半導体もパソコンもスマートフォンも、何から何までナンバーワンを目指していました。しかしナンバーワンになるためには競争で勝たなければなりませんので、採算は相当厳しくなります。

おまけに、打ち負かした相手からは叩かれ、恨まれる。日本企業はナンバーワンになるという戦いでは、すべて負けたと言ってもいいと思います。しかし、その後日本企業はナンバーワンではなく、オンリーワンのところでしぶとく生き延びるという戦術を選びました。希少性を売りにすると価格もかなり自由に設定でき、優位に立つことができます。オンリーワンに特化し、大企業も中小企業も含めてこうしたフィールドを確保できたというのが、今の企業収益の一番大きな背景だと思います。

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